Libero Flipは、本体を開いた場合に操作できる、インナーディスプレイも搭載する。ここからは、Galaxy Z Flip4と比べてどう違うのかもチェックしたい。
インナーディスプレイのサイズはGalaxy Z Flip4が約6.7型、Libero Flipが約6.9型だ。その差は約0.2型なので、ぱっと見では分からない。中央の折り目については、Libero Flipの方が目立たない。この点はよきところ。文字はゆがんで見える折り目だが、これがほぼ目立たないのは評価したい。かといって、全く折り目がない、ということではないので、誤解なきよう伝えたい。
スペック上の違いを見ると、リフレッシュレートはGalaxy Z Flip4が1〜120Hzの可変式なのに対し、Libero Flipが最大120Hzとなっている。どちらもユーザーが設定項目で切り替えることは可能だが、Galaxy Z Flip4は「最適化」「標準」の二者択一、Libero Flipは60Hz、90Hz、120Hzの3段階に切り替え可能な項目が用意されている。
60Hzにすれば書き換え時の消費電力量を少なくして、より長い時間、使用できるようになるだろうが、やはり縦スクロールするX(旧Twitter)やFacebookなどを閲覧する際はかくつきが気になる。
インナーディスプレイを生かしたマルチタスクについては、Galaxy Z Flip4に軍配が上がる。例えば、アプリを2つ起動し、上半分でメールやWebサイトを見ながら、下半分でマップを閲覧する、という使い方は当然できる。
Galaxy Z Flip4に慣れた筆者としては、Libero FlipがPCライクに使えないことが不便に感じた。Galaxy Z Flip4にはフレックスモードパネルがあり、対応アプリならGalaxy Z Flip4を半開きで固定したまま、画面下部に表示されたタッチパッドで操作できる。
試しに、Zoomで会議をするとき、UIがどのように変化するのかを確かめたところ、フレックスモードパネルを有効にしたGalaxy Z Flip4ではZoomアプリでも上半分に相手の表情を確認できるプレビュー、下半分にタッチパッドが表示された。
一方、Libero Flipではフレックスモードパネルに相当するものがなく、Galaxy Z Flip4のような挙動にはならなかった。Zoomアプリはフレックスモードパネルを有効にしなければ、基本的なUIは90度直角でも180度完全に開き切っても変わらない。
Zoomの他にも、机上に置いて使うときに、フレックスモードパネルのタッチパッドで、ギャラリーアプリの写真を切り替えて使うなど、手に持たなくても片手で操作できるフレックスモードパネルが便利だと感じるので、Libero Flipにも同じようなものが欲しかった。
とはいえ、端末メーカーがこのようなモードを自社製品に搭載させる場合、UIのカスタマイズが必要になり、その分のコストが価格にも反映されるはずだ。この点はGalaxy Z Flip4ユーザーである筆者のわがままといえるので、Libero Flipの後継機があるのか否かは分からないが、次期モデルに少し期待したい。
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