重複するが、きのこの山ワイヤレスイヤホンの一般販売は予定されていない。では、一体誰に向けた製品なのだろうか。きのこの山が好きな人、明治のグッズコレクターは買うだろうが、明治がアピールしたのは、イヤフォン単体よりも翻訳機能だった。
明治グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部長の相澤幸保氏は、「実物に近く、144言語対応のきのこの山ワイヤレスイヤフォンが、ようやく完成し、皆さんにお披露目できた」と話す。「海外の人とコミュニケーションをするときに、これは日本のお菓子だよ、と紹介できるような」会話をイメージして企画したという。菓子、食品の製造販売などを行う明治ならではの着眼点で、実際の利用シーンを想起できるような翻訳機能がアピールされていることがうかがえる。
翻訳機能の搭載理由には、日本だけでなく海外にも訴求したい、明治の意図もありそうだ。2019年開催の「きのこ・たけのこ国民総選挙」では、「辛うじてきのこの山が勝ち」(相澤氏)、日本で知られているはずのきのこの山とたけのこの里だが、相澤氏は「日本以外の国では認知されていない」と打ち明ける。
そのため、明治は日本だけでなくグローバルに向けて、一風変わった企画を発信し、「認知を拡大していくような戦略を取っていく」(相澤氏)としている。発表イベントの会場は明治本社(東京・中央区)でも都内の会場でもない成田空港だった。人目を引くような場所で、記者会見場ではないため、小規模なスペースだったが、これもグローバルへの訴求を意識したためだという。
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