続いてPhone (2)とPhone (2a)のカメラを比較する。アウトカメラのスペックはPhone (2)もPhone (2a)も同じで、2眼構成となっている。インカメラは前面上部のパンチホール(ディスプレイをくり抜いた部分)に配置され、こちらも単眼で変わらない。
作例も掲載する。撮影場所に「KITTE丸の内(東京・千代田区)」を選び、この建物の6階にある屋上庭園「KITTEガーデン」から東京駅にカメラを向けて撮影した。0.6×では超広角カメラによりワイドな写真を撮影できるが、下に収まった赤色の車がゆがんでしまう。
1×、2×に切り替えると、ゆがみはなくなり良好な仕上がりとなった。東京駅舎のれんがの色や西陽による影は再現性が高く、青空の色も自然だ。特に満足できたのは2×での撮影だ。日頃からハイエンドモデルの望遠カメラを多用しているユーザーにとっては物足りないかもしれないが、被写体に寄れない環境でも少しズームしたい場合に役立つ。
なお、どちらのモデルも4つの画素を1つとして扱うことで、受光量を増やしノイズを抑制する「ピクセルビニング」を採用している。通常の撮影モードを利用した場合は1250万画素で出力される。シャッター速度やISO感度などを変更できる、いわゆるマニュアル撮影が可能なエキスパートモードでは5000万画素で出力されるが、0.6×の超広角レンズは利用できない。
2×での撮影でもきれいな仕上がりとなったのは、5000万画素のイメージセンサーで捉えた中心部を切り出すことで、画質を落とさずに撮影できるからだ。この技術は「クロップ」という言葉で説明されることもある。スマートフォンの中にはPhone (2)とPhone (2a)のようにサイズの制約やコンセプト、価格設定などにより、望遠カメラを搭載しない機種がある。倍率や表現力では望遠カメラにかなわないが、クロップにより望遠カメラなしでもきれいな仕上がりとなるわけだ。
夜景も確認したい。場所を「東京ミッドタウン日比谷(東京・千代田区)」に変え、どちらも三脚やリモートシャッター機能付きリモコンなどを使用せず、あえて手持ちでフォーカスをオートにし、完全にカメラ任せにして撮影した。
日中と違って0.6×、1×、10×では手ブレがあまり補正されていないことが分かった。一見するときれいに撮影できていると思うが、ビルの看板の文字や木々に粗さが出てしまう。特に10×ではビルの壁面に設置されたロゴがPhone (2a)だとやや不鮮明だ。Phone (2)では塗り絵のようになるが、ディテールははっきりとしている。
一方、場所をネオンやライティングが激しい飲み屋街に変えて撮影してみると、2倍で撮影した写真がかなりきれいな仕上がりになることが分かった。店のネオンや電球などで明るい環境なら夜でもきれいに撮影できるようだ。飲み屋でNothing Phoneを自慢して、そのまま外で記念撮影するときは、2倍での撮影をおすすめしたい。
被写体によって色味が異なるが、2xでの撮影時には手ブレ補正がかなり効くのかきれいな仕上がりになる。ただ、「TOHO」の看板の色は変わらないが、ビルの壁面の色味に違いが出た。実物に近いのは右のPhone (2)だ日本らしい作例を見たい方は英Nothing Technologyのカール・ペイ(Carl Pei)CEOがPhone (2a)で撮影した画像をポスト(旧ツイート)しているので、参考になるかもしれない。余談だが、同氏は日本法人の立ち上げと、新製品発表会でプレゼンテーションを行うため、来日していた。
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