性能についても見ていこう。プロセッサはPhone (2)がQualcommの「Snapdragon 8+ Gen 1」、Phone (2a)がMediaTekの「Dimensity 7200」を搭載している。両モデルに「Geekbench 6」アプリをインストールし、ベンチマークを計測したところ、次のような結果となった。
結果から分かるように、性能はPhone (2a)よりもPhone (2)の方がよい。アプリの起動や切り替えなどはどちらもスムーズだが、Dimensity 7200のPhone (2a)はプロセッサに負荷のかかるゲームには向かない。とはいえ、ブラウザやSNSの閲覧など、一般的な使い方ならストレスを感じないはずだ。
OSについては「Nothing OS 2.5」を採用。Android 14をベースにNothingが独自にカスタマイズしている。例えば、電話やブラウザなどのアプリアイコンはモノクロで表示され、時計などはドットを使ったデザインを採用している。Phone (2a)の製品ページにはPhone (2)の製品ページで案内されていなかったOS/セキュリティに関する記述もある。アップデートはOSが3年間、セキュリティが4年間、行われる。
防塵(じん)・防滴性能についてはどちらもIP54となっており、「あらゆる方向からの水のしぶきに耐えられる」ように設計されているが、水没やシャワーには耐えられない。これから迎える夏、Phone (2a)を持って海へ出かけたいが、不安な人はスマートフォン用の防水ケースを持参した方がよさそうだ。
Phone (2)はハイエンドモデルの中でもお買い得とは感じつつも、おサイフケータイが使えないことが弱点だったが、Phone (2a)でそこを解消した。Phone (2a)は望遠カメラや高いパフォーマンスを期待する人には向かないが、これからミッドレンジモデルの購入を検討するなら、Phone (2a)は有力な選択肢の1つになるはずだ。
1つわがままをいうとすれば、そろそろ背面LEDだけではない新しい要素が欲しい。着信や通知がスマートフォンのディスプレイではなく、背面で確認できるのは確かに便利だ。それゆえに「Nothing Phoneの大きな特徴はそれに尽きてしまう」感がある。板状のスマートフォンで個性が光るのは、他製品との差別化になるものの、日常生活シーンに踏み込んだ便利な機能も欲しい。次期モデルの有無は分からないが、Nothing Phoneがさらにユニークな個性を持つことに期待したい。
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