発表会後の囲み取材では、シャオミ・ジャパンの鄭副社長と安達氏が、製品戦略と日本市場での展開について説明した。
記者から製品ラインアップを増やしている理由を問われた安達氏は、「全社的に『ガンガンいこうぜ』というモードになっている」と説明。日本市場での手応えを得て積極的な製品投入戦略に転じていることを明かした。
さらに安達氏は「トライアンドエラー」というアプローチを採用していると強調。「10割の打率でやるというよりは、ある程度投入することの中でトライアンドエラーをしながらやっていく」と述べ、多様な製品を市場に出して消費者の反応を見ながら戦略を調整する姿勢を示した。
特に「Xiaomi Storeの展開によってSKUや商品の幅、カテゴリーや価格帯のレンジもそろえる必要がある」と語り、イオンモールに出店するXiaomi Storeの棚を効果的に埋めるための製品多様化戦略も明確にした。
今回のXiaomi 15 Ultraはグローバル発表からわずか約10日で日本市場投入を発表した。鄭副社長は「2024年はグローバルから2カ月遅れで5月発売だったが、2025年はほぼ同時に日本のお客さまにお届けできた」と説明。
グローバル発表から1週間での発表という迅速さと引き換えに、おサイフケータイ(FeliCa)などの日本向けカスタマイズは最小限となっている。安達氏は「日本に来るものが決まって、それでFeliCaをつけるかつけないかというよりは、まずはグローバルで要望も高くて鮮度高く持ってくることが第一優先」と述べた。
こうした方針はキャリア販売の制約となっているが、安達氏は「ないよりあった方が、グローバルの強さ、商品のユニークさをお伝えできる」とし、「販路によって期待できる数量は大きく異なるので、どういった形で国内に商品を導入していくかは今後も継続検討していく」と、トライアンドエラーの姿勢を示した。
Xiaomi 15 Ultraは当初予想より2万円安い17万9800円に設定された。安達氏は「グローバル商品のスペックをそろえて全体のボリュームでコストを抑える」という基本戦略に加え、「昨今の円安でXiaomi本来のコストパフォーマンスはここ数年出せなかった部分もあるが、今回は頑張った」と説明。サプライチェーンや物流の最適化と「アグレッシブなプライシング戦略」への転換を強調した。
製品によるターゲット層の違いについても言及があった。安達氏は「Xiaomi 15 UltraはMiファンやカメラ愛好家向け」としつつ、「Xiaomi 15は手頃感とデザインで新しいユーザー層、特に女性など握りやすさや持ちやすさを重視する層にも提案したい」と説明した。
日本初の「Xiaomi Store」をイオンモールに出店する理由について、鄭副社長は「中国と東南アジアでは26のイオンモールでXiaomi Storeを展開している実績がある」と説明。また「スマートフォンやタブレットだけでなく、IoT商品やライフスタイルソリューションを提案するには、ファミリー層との親和性が高い」と、イオン顧客層との相性の良さを指摘した。
安達氏は「Xiaomi Storeの展開によってSKUや商品の幅、カテゴリーや価格帯のレンジもそろえる必要がある」とし、今後も積極的に製品ラインアップを拡充していく方針を示した。
日本市場でのXiaomiの今後について、鄭副社長は「『ヒューマン×カー×ホーム』という戦略の枠組みの中で、スマートフォンと連携するスマート家電などの体験価値を日本の消費者にも提案していくために加速していく」とし、キャリア販売や量販店と自社チャネルのバランスを取りながら展開していく方針を示した。
ハイエンドSIMフリー市場への挑戦についても、安達氏は「10万円を超えるハイエンドフラグシップのマーケット自体はすごく大きいわけではないが、まずは投入してみて、どれくらいのフィードバックがあるか見たい」と、積極的なチャレンジの姿勢を見せた。
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