世界を変える5G

「ポケモンGO」大阪イベントでスマホの通信はどこまで快適だった? 1キャリアだけ厳しい結果に、その理由は?(2/2 ページ)

» 2025年06月10日 11時00分 公開
[田中聡ITmedia]
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楽天モバイルが2024年に続き、厳しい通信環境だった理由

 さて、ここまで、ドコモ、au、ソフトバンクの通信速度や対策について触れてきたが、残る1キャリア、楽天モバイルについても触れたい。まず通信速度について、3つの時間帯いずれも、下りと上りともに1Mbpsも出ず、常に混雑していた。17時台に1度だけ下り1.39Mbpsを記録したが、他は1Mbps未満で、Speedtestアプリではタイムアウトしてエラーになることも多かった。

 肝心のポケモンGOも、アプリの起動すらままならないという状況で、楽天モバイル回線ではそもそもゲームをプレイできなかったのが実情だ。

Pokemon GO Fest 2025Pokemon GO Fest 2025 楽天モバイル回線はSpeedtestアプリで測定不能になることが多かった(写真=左)。このような状態ではアプリも起動できなかった(写真=右)

 まず事実として、楽天モバイルは移動基地局車を配備していなかった。イベントにおける移動基地局車は、キャリアが一方的に配備できるわけではなく、イベント主催者と調整をした上で配備する必要がある。つまり今回でいえば、Niantic側の了承を得る必要がある。

 楽天モバイルが移動基地局車を配備しなかった件についてNianticに問い合わせたところ、具体的なコメントは避けたものの、「ポケモンGOのユーザーがお使いの通信会社の割合をもとに、現場での環境整備をしています」(三宅氏)とのこと。つまり、ポケモンGOにおける楽天モバイルのユーザーが少ないため、ネットワーク対策のオファーをしなかったようだ。2024年のPokemon GO Festでも楽天モバイルは移動基地局車を配備できず、2025年も残念ながら同様の状況となってしまった。

 なお、楽天モバイルに確認したところ、Pokemon GO Fest 2025:大阪では、以下の通りネットワーク対策を実施したという。

 当社は各イベント会場の状況に応じて、移動基地局(移動無線車)の設置や既存基地局のパラメータ調整(一時的に電波照射強度や範囲を変更)などを行って、つながりやすい環境を整備しています。

 今回のイベントにつきましても、大人数が同時にアクセスすることを想定し、既存の周辺基地局のパラメータ調整を行っております。

 引き続き、多くの人で賑わうイベント等でも安定した通信サービスを提供できるよう改善対策を検討してまいります。

 可能な限り対策は打ったものの、想定を上回る参加者が集まったためか、やはり移動基地局車を配備できなかったことが響き、実使用に耐えない状況となってしまった。

 なお、午後の部が終了した後の18時20分頃、万博記念公園出口にある、ららぽーとEXPOCITY周辺で通信速度を測ったところ、楽天モバイルは下り100〜200Mbps台、上りは5〜20Mbps台の速度が出た。この数値は、実は4キャリアの中では最も高かった。つまり楽天モバイルは、イベント開催中の公園の中だけ、極端に速度が出なかったのだ。

Pokemon GO Fest 2025 公園近くにあるららぽーとEXPOCITY前では、楽天モバイルが4キャリアで最速だった。万博記念公園付近の一帯で楽天モバイルが遅いというわけではないようだ

 考えられる原因は、楽天モバイルのユーザーが大量に集まったため速度が出なかったか、公園内をカバーする楽天モバイルの基地局が少なかったかだ。だが、万博記念公園から出入口付近は高い建築物や障害物の少ない開けた場所で、公園内と出口付近でそこまで通信速度に差が出るとは考えにくい。そもそも、ここまで大規模な公園のエリア化が不十分であることはあり得ない。

 実際、楽天モバイルのサービスエリマップを確認したところ、万博記念公園は5Gのカバーエリアなので、本来なら5Gの実力が発揮できるはずだ。やはり、局所的に楽天モバイルユーザーが集まったことが原因である可能性が高い。

Pokemon GO Fest 2025 万博記念公園付近はしっかり5Gのカバー範囲となっている

 Xを見ると、大多数とまではいえないが、Go Festの会場で楽天モバイルの回線がつながらないことに対する不満の投稿がいくつか見られた。

 楽天モバイルの契約数は850万を超えており、もはや新興キャリアとはいえない規模感になりつつある。ポケモンGOのトレーナーの中にも、楽天モバイルがメイン回線という人も増えているのではないだろうか。

 さらにいえば、万博記念公園の面積は約260ヘクタールで、甲子園球場の約65個分に相当する。2024年の会場だった七北田公園は約22ヘクタールなので、万博記念公園は約12倍広い。2024年は物理的な制約があったのかもしれないが、2025年は楽天モバイルの移動基地局車を配備する余裕はあったはずだ。

 Nianticには「より多くの方に快適にご利用いただきたいと考えている」(三宅氏)との意向はある。楽天モバイルをメイン回線として使っているポケモンGOユーザーは、Nianticに対して、大規模イベントで楽天モバイルのネットワーク対策も行うよう、積極的に伝えた方がいいだろう。

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