【決算総括】上位プランシフトのドコモとKDDI、値上げをしない楽天モバイル 板挟みのソフトバンクはどう出る?石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2025年08月09日 09時15分 公開
[石野純也ITmedia]

マーケティングコストがかさむドコモ、KDDIは低容量の競争力が課題か

 一方で、ドコモはコンシューマーの通信に絞ると、前年同期比で減収減益になった。特に、営業利益は1046億円となり、398億円の大幅減益に見舞われている。島田氏によると、要因の「メインの1つは、顧客基盤強化のためのマーケティングコスト」だという。また、「サービス品質の強化もあり、そこに対しては新しい基地局を20%ぐらい増やしており、そのコストもかかっている」。

 実際、ドコモは第1四半期に設備投資を1849億円投下しており、前年同期比で649億円の増加になっている。通信品質強化に本腰を入れたことでコストがかさんで減収になった格好だ。非通信領域のスマートライフや法人事業ではプラスになっている部分もあるが、「それだけではカバーできなかった」(同)。

4キャリア決算 大幅な減益に見舞われたドコモ。主な原因はマーケティングコストと基地局増設による設備投資の増加だという

 KDDIは、「スマホトクするプログラム」の影響などで一過性の減益になったというが、モバイル収入は4882億円から4905億円に、モバイルARPUは4280円から4340円へと上昇しており、業績自体は好調。既存の料金プランを値上げすることもあり、来期以降では通信料収入の伸びが加速するとしている。

4キャリア決算 KDDIも減益になったが、一過性の要因が大きいため、問題視はしていないという

 ただし、UQ mobileはミニミニプランを廃止したことで、「今まで取れていた小容量プランのところが、少し弱くなっている」(松田氏)という。上位プランである「コミコミプランバリュー」の選択率が4割になり、解約率も低下しているUQ mobileだが、低価格の料金プランがない中、新規のユーザーをどう獲得していくかは今後の課題になりそうだ。

 また、KDDIはauと同様、UQ mobileの既存プランを値上げすることを表明しているが、その具体的な金額などは明かされていない。値上げはミニミニプランも対象になると見られており、この影響がどのように出るかが未知数だ。価格に対してセンシティブなユーザーが多いだけに、一時的に解約率が上昇したり、ユーザー数が減少してしまったりする恐れもある。

4キャリア決算 新料金プラン発表時に言及されていたが、UQ mobileも既存の料金プランを改定する予定。ただし、現時点でその中身は明かされていない。KDDI側も慎重に影響を検討していることがうかがえる

 決算説明会の段階では、「公表できる段階になっていない」といい、「この部分にどのような価値をつけていくべきなのか、社内でもシミュレーションをしている」(同)という。料金という観点では、オンライン専用でトッピングを自由につけられるpovo2.0もあり、UQ mobileの旧料金プランと比べても“ギガ単価”はリーズナブルになっている。値上げによる解約の影響を抑えるには、こうしたブランドを今まで以上にうまく活用していく必要性がありそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月13日 更新
  1. スタバ長時間滞在、なぜ「一律ルール」設けない? “スマホでゲーム、PCで仕事も…広報見解は (2026年06月12日)
  2. 新エントリースマホ「arrows We3」発表 コンパクトな高耐久ボディーに5000mAhバッテリーや新カメラを搭載 (2026年06月11日)
  3. 「JALモバイル powered by ahamo」のお得度を検証 本家ahamoやIIJmio版とは何が違う? (2026年06月12日)
  4. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  5. 「日本通信アプリ」の新バージョン提供開始 FPoS対応で本人確認のセキュリティを強化 (2026年06月11日)
  6. 20万円超も珍しくない高額スマホ時代、「スマホ保険」の選び方と料金の目安は? (2026年06月12日)
  7. 「Nintendo Switch 2」が“転売ヤー”の餌食に 多言語版の買い占め→「プレイ50時間」条件復活 (2026年06月12日)
  8. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. DAZNのW杯「月額980円」表示に落とし穴 ユーザーを困惑させた2つの“ダークパターン”とは (2026年06月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー