「iPhone Airではなくminiを出してほしい」──X(旧Twitter)にはそんな声があがっており、小型スマートフォンへのニーズが依然として存在することがうかがえる。
Appleは2020年に5G対応の「iPhone 12 mini」を発売した。翌2021年には「iPhone 13 mini」を投入したが、2022年の「iPhone 14」シリーズではminiが廃止され、その代わりに無印モデルの大型版として「iPhone 14 Plus」が登場した。その流れは「iPhone 15 Plus」「iPhone 16 Plus」と続いた。
しかし2025年は「iPhone 17 Plus(仮)」の姿はなく、代わりに薄型・軽量を特徴とする「iPhone Air」が登場した。ただし、miniの正当な後継機は現れていない。
iPhone 12 miniは5.4型のディスプレイを搭載し、発表時には「世界最小・最薄・最軽量の5Gスマホ」との触れ込みだった。重量133gの筐体は十分に軽量で、横幅は2014年に登場した「iPhone 6」(4.7型)とほぼ同じであり、片手操作に適していた。
iPhone 13 miniは幅と高さがiPhone 12 miniと同じながら、厚みは0.25mm増し、重量は8.5g増えている。
それでも小型かつ軽量という特徴は変わらなかった。
米調査会社CIRP(Consumer Intelligence Research Partners)によると、iPhone 12シリーズ発売後2カ月間の販売台数において、iPhone 12 miniが占める割合は全体の6%にとどまったという。さらに2021年から2022年にかけては、iPhone 13 miniの米国での販売も低調だったと報じられている。
一方、日本ではiPhone 13 miniをはじめとする小型スマートフォンの人気は根強く、片手で持ちやすいサイズを好むユーザーは少なくない。ボディーサイズの近い「iPhone SE」シリーズも中古市場で人気だ。
市場全体を見ても、コンパクトな筐体を持つスマートフォンは年々減少している。ソニーは2024年9月、フラグシップの1シリーズに比べてコンパクトな5シリーズ最新機種の投入を見送った。
また、ミッドハイモデルの「BALMUDA Phone」は2024年9月末で販売終了。横幅68mm前後の端末である「Zenfone 10」も、多くの販路で終売となった。
さらに、日本でのXperia発売15周年を記念した「Xperia ファン感謝イベント」では、展示ツアーの最中にソニー関係者が「小型スマホはコストがかかり、企画・設計は難しい」との本音を打ち明けた。
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