第2部は、HPが考える近未来(2012年を想定)のモバイル通信を想定したデバイスが紹介された。これらの基本コンセプトは、「複雑な部分を統合して、簡単な部分に分解する」ことにあるという。これは、同社CTOのフィリップ・マッキニー氏が述べた「簡単なものを複雑にすることは誰でもできる。真の創造性とは複雑なものを簡単にすることだ」という言葉がベースになっており、今回のビジョン作りは同CTOとウルフ氏が共同で行ったとのことだ。
以下で紹介するデバイスは、あくまで議論のたたき台とするためのものであり、将来的に製品化される予定はない。現在はノートPCや携帯電話、PDAの機能やモバイル分野のテクノロジーが複雑化する一方だが、さまざまな技術を用いて、ユーザーに「シンプルで使いやすく、そして上品」なモバイル・コンピューティングを目指す、というHPのビジョンを表現しているものであり、「HPが将来にわたって成長するために、デザインの展望を持つのが狙いである」という。「10年たったら何ができるようになるのかをベースに考えたが、10年後は何でもアリだ」というウルフ氏の言葉からも分かるように、ビジョンの表現としてだけでなく、デザイナーが自由な発想でデザインに取り組めることにもポイントがあるのだろう。
デモでは近未来のデジタルライフを時間軸で追いかけ、ウルフ氏から逐一デバイスの解説がなされた。各デバイスの詳細は下記に譲るが、総じてパーソナルな情報を統合するのではなく、各デバイスに分散しながら、それらをいかに共有するのかというテーマが感じ取れた。
なお、質疑応答では日本は技術的にも進んでおり、他国を引っ張っていく役割を担うのではないか、将来の方向性としては、PC以外の分野にも進出していくことを考えていると述べた。



フラッシュを使って近未来のデジタルライフが細かく表現された。左からメールのチェックだけでなく、電話やPCなどほかのデバイスに接続されるのを想定したパーソナル・ワイヤレス・ゲートウェイ・デバイス、情報の共有板となるスマートシェルフ(パーソナル・ワイヤレス・ゲートウェイ・デバイスの充電機能も備える)、テキストや画像データの入力だけでなく、ほかのデバイスの操作にも流用できるデジタルペン、シンクライアントをくぼみに置くとデータがテーブルの表面に表示されるとともに充電が開始されるコーヒーテーブル
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