さて、今回のレビューの中で最も重要な部分が、DDR2とDDR3のパフォーマンスである。DDR3の価格がDDR2の7〜8倍という現在の状況を考えると、今すぐDDR3を導入するには大きな決断が必要になるが、パフォーマンス的に大きく優れるのなら財布のひももゆるむ。今回使用したメモリは、DDR2がCORSAIR製PC2-6400(800MHz動作)。DDR3は、同じくCORSAIRのPC3-8500規格となる 「CM3X1024- 1066C7」という製品である。動作クロックは1066MHzとなる。
ベンチマークは、PCMark05と3DMark05、FinalFantasy XI Official Benchmarkを測定した。マザーボード以外のテスト環境は、以下の表に示す。メモリの容量は、DDR2、DDR3とも2Gバイトである。
| CPU | Core 2 Duo E6700(2.66GHz) |
| メモリ | DDR2 PC2-6400 1Gバイト×2(Corsair XMS2) |
| DDR3 PC3-8500 1Gバイト×2(Corsair XMS3) | |
| Graphics | GeForce 7600GT 256Mバイト+Forceware 93.71 |
| HDD | Seagate ST3160812AS SATA 160Gバイト 7200rpm |
| OS | WindowsXP Professional SP2 |

評価で使ったCORSAIR製品のDDR3とDDR2のSPD設定を見る。DDR3は、クロックが速いもののSPDで示されるようにレイテンシはDDR2よりクロックを“多め”に設定されている。このトレードオフがパフォーマンスに影響してくるDDR2のP5K DeluxeとDDR3のP5K3 Deluxeでは、ベンチマークの「総合」スコアはほとんど同じになる。この段階で動作クロックが速いDDR3のメリットは結果に反映されていない。PCMark05のスコアの各項目もほとんど同じで、メモリ関連テストのスコアはさすがにDDR3を組み込んだP5K3 DelueがDDR2を組み込んだP5K Deluxeを上回るものの、なぜか、HDDのパフォーマンスが足を引っ張りトータルスコアが同じになっている。メモリパフォーマンスのメリットはあるようだが、その差は歴然とは言えず、ほかの要素のバラツキによって相殺される程度の差でしかないということになる。
1Gバイトで3万円近くするメモリを購入するのは、通常に使うPCユーザーにとってあまりメリットは感じられない。DDR3メモリの価格が大きく下がるか、新しいCPUがリリースされて、より高いメモリクロックのメリットが生かせるようになれば魅力的になってくると思うが、現時点において、マザーボードの冷却ユニットの違いに着目し、かつ、メモリに潤沢なコストをかけられるユーザーでなければ、P5K Deluxeでも十分な満足度を得ることができるだろう。
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