DDR3への移行はいつ?──IDF 2007で読む「メモリ」「ワイヤレス」のトレンド:Intel Developer Forum 2007(2/2 ページ)

» 2007年09月21日 22時00分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

モバイルインターネットにおける“次の先”は?

 Montevinaプラットフォームによって、実用化のめどが見えつつあるWiMAXを使ったモバイルインターネットだが、思っている以上に有用なサービスになるかもしれない。当初、IntelなどのWiMAX推進団体は「既存のDSL技術などが利用できないユーザーに高速インターネット通信を提供する」ことをWiMAXの目的として掲げており、都市部での利用は副次的に扱われていた。

 だが、日本でのWiMAX免許の取得を巡る報道を見る限り、WiMAXに期待されているのは、デジタルデバイドを解消するインフラというより、携帯や無線LANホットスポットに次ぐ、第3の無線ネットワークインフラとなりつつある。

 IDF 2007でも紹介されたClearwireは、世界でも珍しいWiMAXサービス専業の独立系プロバイダ事業者だ。現在、同社はWiMAXのトライアルサービスの提供を全米で行っており、2008年にも正式な商用サービスとしてスタートさせる予定だという。

 同社の契約ユーザー数は2007年6月時点で30万に達するというが、そのユーザー傾向を分析してみると、なんと全体の2割近くが既存の有線ベースのインターネット接続サービスとClearwireのWiMAXサービスを併用しているという。しかも契約ユーザーが元々契約していたサービスを分析すると、その7割近くがケーブルTVやDSLなど、いわゆるブロードバンド回線のユーザーであることが分かっている。

 日本のユーザーからすれば、依然としてダイヤルアップ接続が大きな勢力を占めるといわれる米国におけるこの調査結果は驚異的だろう。このデータが示すのは、WiMAXが必ずしも辺境地向けのサービスではなく、むしろ、Clearwireは採算ベースに乗せるために人口の多い都市部のユーザーを積極的に取り込んでいるということだ。自宅ではより高速な有線ブロードバンド回線を用い、外出先ではWiMAXを使うという、まさに「どこでもインターネット」な生活を享受しているさまがうかがえる。

 こうした傾向は、これからさらに進むかもしれない。Clearwireが現在提供しているのは「Residential Service」と呼ばれる、いわゆる屋内での固定通信を想定したサービスだ。通信にはResidential Gatewayと呼ばれるプレステーション 3のようなサイズの装置が必要で、「どこでもインターネット」を実現するには少々体力が要求されるのだ(それでもClearwireが紹介したビデオを見る限り、子どもを含めて移動利用しているユーザーがいるあたりは、さすが米国といったところか)。

 2007年後半に、PCカードタイプの装置が提供されることで、より現実的なモバイルインターネットの世界が実現する。上記のような固定回線との併用ユーザーが本格的に増えるのも、このPCカードタイプの装置が登場してからになるだろう。このようにネットワークインフラが整ったところで、2008年半ばにMontevinaが登場すれば、WiMAX普及の傾向はより強まることになると考えれる。Intelによれば、Samsungなどから携帯電話や小型デバイスにWiMAXモジュールを組み込んだ製品が2008年後半に登場する予定だという。ユーザーが増えることでWiMAX利用エリアが広がり、それがさらにユーザーの増加につながるというような好循環が実現すれば、ユーザー数とエリアの爆発的な拡大が期待できるだろう。

Clearwireは、携帯電話市場を創出した投資家として有名なクレイグ・マッコー氏が興したWiMAX専業ベンダーだ
Clearwireの契約ユーザーがどのサービスから移行してきたのかを並べた分布図。ブロードバンドユーザーだけで7割を超えている

トライアル最初期のころ、米オレゴン州ポートランドで展開されたサービスの段階的なエリアの拡大を示した図
現状のサービスでは巨大なアンテナ装置が必要となるが、2008年以降に順次モバイル向けの通信装置が提供されていく

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月07日 更新
  1. メーカー自身がバックドアを仕込み、犯罪集団に“販売” 乗っ取られたTV用端末130万台超、Googleが遮断 日本の警察庁も参加 (2026年11月05日)
  2. Windows PC向けゲームの「ロード待ち」はなぜ起こる? 背景に過去との「互換性」 (2026年11月05日)
  3. 画面は見やすく広告なし! 睡眠モニター機能はどう? Amazonの新型スマートクロック「Echo Time」の使い勝手と気になる点 (2026年11月06日)
  4. 耳をふさがないEDIFIER「Comfo Bass Pro」は朝から夜まで充電不要 1万円強でLDACとDolby Audio対応、在宅勤務の“つけっぱなし”にピッタリ (2026年11月06日)
  5. 手書き文書の文字起こし+会話録音も可能なスマートノート Makuakeで先行販売を開始 (2026年11月05日)
  6. ミュンヘン市はなぜ再びオープンソースソフトウェアへ回帰するのか? 脱Microsoftを巡る欧州の最新事情 (2026年11月04日)
  7. 月1200ドルのAIコストが電気代20ドルで済む? NVIDIA「RTX Spark」搭載PCのデモで見えた“ローカルAI”の実力 (2026年11月04日)
  8. 価格は約9万円に上昇、それでも“買い”か? DJIの360度カメラ「Osmo 360 II」を初代と比べて分かったこと (2026年11月05日)
  9. エイサー、フルHD×2面表示が可能な折りたたみ式15.6型/23.8型デュアルモバイルディスプレイ (2026年11月05日)
  10. アイネックス、デスクトップPCの電源操作を手元で行える有線リモコン (2026年11月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー