もっとも、それは最初から予想できただけに、ある意味「分かりきっている」結果に過ぎない。そこで、同じIntel X48 Expressにおいて、
という条件でベンチマークテストを行い、FSBとメモリの違いがパフォーマンスにどの程度影響するかをチェックしてみた。
先ほども紹介した「FSBとメモリクロックの制約」のため、「FSBが異なるけれどメモリクロックは同じ」という組み合わせが用意できなかったので、メモリ周りで比較することになる。ただし、DDR3-1066という条件において、ともにFSB1333MHzながら、QX9650とQX9770という異なるCPUを比較できる。
ベンチマークテストの結果から、XMP1600の効果が“それなり”にでていることが分かる。SYSmark2007 Previewでみると、DDR3-1066に比べてグレードが1つ違うスコアに相当する6ポイントの差がでている。それ以外のテストでも明らかな違いが確認できる。例えば、DOOM3では、GPU性能があまり影響しない1024×768ドットの条件で大きな差がでている。DDR3-1066を組み込んだCore 2 Extreme QX9650とCore 2 Extreme QX9770との差、ならびに、Core 2 Extreme QX9770を搭載したシステムにおけるDDR3-1066とXMP1600との差も、「CPU1グレード分」に相当するということができる。
Core 2 Extreme QX9770+Intel X48 Express+XMP1600の組み合わせは、従来最速の組み合わせだったCore 2 Extreme QX9650+Intel X38 Express+DDR3-1333を上回る性能を発揮し、動作クロックやFSBが上がったことに加え、XMP1600という“オーバークロック”メモリを組み合わせることで1グレード上のCPUに匹敵する性能を発揮する。性能に関して文句のつけようがない。
しかし、やはり価格が高すぎる。Core 2 Extreme QX9650の価格は、米国で999ドル(日本円では11万円強)とこれでも高いが、その上位モデルとなる予定のCore 2 Extreme QX9770はそれをさらに上回る価格になりそうだ。この評価作業を行っている2007年12月初めの時点で、インテルは正式な価格を明らかにしていないが、OEMメーカーの情報によれば1400ドル弱という価格に設定されることになりそうだという。さらに、XMPメモリのTWIN3X2048-1600C7DHXIN G(1Gバイト×2)は、日本円で6万円弱に設定されている。マザーボードも、DX38BTが現在3万円強という価格になっているので、その後継であるDX48BT2も同じような価格設定になると仮定すれば、CPUとメモリ、マザーボードだけで、軽く25万円になってしまう。
インテルはCore 2 Extreme QX9770とIntel X48 Expressのリリース時期を2008年第1四半期としか明らかにしていないが、最新の情報によればOEMメーカーに対して「1月〜2月の間のどこかのタイミングになる」と説明しているという。CPUとメモリとマザーボードに25万円という価格に「そんなの関係ない」といえる、コストを度外視しても最高性能が必要と考えるハイエンドゲーマーやプロフェッショナルユーザーにはいいとして、「けっこう関係ある」という多くのユーザーには“どうかな?” というのが正直な感想だ。
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