それではベンチマークテストでその実力を確認してみよう。今回は比較対象としてMacBookの初期モデルを用意した。旧モデルがCore Duo(2.0GHz)/メモリ2Gバイトの構成、新モデルがCore 2 Duo(2.2GHz)/メモリ1Gバイトの標準構成だ。メモリの分だけ旧モデルに多少のハンデがついているはずだが、それでも新型の性能向上を十分に確認できる結果となった。
今回はCINEBENCHとiTunesによるエンコードテスト(Apple Lossless→AAC)を行ったが、特にGPUの性能差は圧倒的であり、2D/3Dグラフィックの重い処理を行う場合に体感できるだけの差があることはまちがいない。一方、CPU性能も旧モデルとの比較で120〜130%程度に止まってはいるものの、着実な向上は確認できる。GPUのお世話になる作業が多い方にとっては、大いに意味のあるアップデートと言えるだろう。
GPU性能はむしろWindows環境でこそ気になるという3Dゲーマーの方もいらっしゃるかもしれないので、Boot CampでWindows XPを起動し、そちらでもベンチマークを行ってみた。
しかし結果は、CINEBENCHのOpenGLテスト、FFベンチ(Vana'diel Bench 3)でのテストともに、期待を下回る結果が出てしまった。例えばFFベンチのLowのスコアは、初代MacBookのスコアとほぼ同程度。メモリ容量の差こそあるが、これは普通に考えればあり得ない数値である。
推測となってしまうが、これは現時点のBoot Campが提供するWindows用のドライバ(ここではLeopard製品版ディスクからインストールしたもの)が、GMA X3100の性能を引き出せていないためかもしれない。そうだとすれば、今後のアップデート次第では、一気に改善するという期待も持てる。
今回の“サンタMacBook”は、処理能力の向上や放熱系の改良など、初代機から順当な向上を重ね続けて完成度を高めており、お買い得感もさらに増した(ブラックモデルのMB063J/Bが17万9800円、MB062J/Bが15万9800円、最下位のMB061J/Bは13万9800円と、旧モデルから据え置き)。
Boot Camp環境でGPU性能をフルに発揮できていない点は残念ではあるが、Windowsは使わない、あるいはParallels Desktop for MacやVMware Fusionで補助的に使うのみ、というユーザーにとってはそれほど気にならないだろう。
純粋にMacとして見た場合、エントリーモデルとしての完成度は満点に近い。これ以上の性能や大画面を求めるならMacBook ProやiMacを選ぶしかないわけだが、大多数のユーザーには「これで十分!」なのではないだろうか。
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