Webブラウザは、PCを使ううえで最も身近なソフトウェアの1つだ。MacとWindowsの両環境でこれを統一できれば、システムの移行や併用時の違和感をぐっと減らせる。しかし、Internet ExplorerのMac版はとっくの昔に開発が停止されてしまった。一方、SafariのWindows版はまだβ段階だし、あまりにもMac的すぎてWindows環境だと正直、何か浮いてしまう。
それでは、WindowsとMacの両環境に対応し、外観や操作性の面でもそれなりになじむ、真のクロスプラットフォームブラウザはなんだろう。それはもちろん「Firefox」なのだ。
WindowsからMacへの移行、またはWindowsとMacの併用では、メールだけでなくブックマークの移行もポイントになる。改めてブックマークを眺めると、意図せず過去の自分と対面してしまったり、人前では開けないようなサイトだったりと、できればそっとしておきたい場合もある。システムの移行にあわせて整理をするというよりは、何も考えずにコピーするほうがいろいろな意味で簡単だ。これまでWindowsでInternet Explorerを使っていた人でも、WindowsとMacのブラウザをFirefoxにそろえることで、“お気に入り”をさくっと新しいMacに移すことができる。
まずWindows環境にFirefoxをインストールしてInternet Explorerの設定(主にお気に入り=ブックマーク)を読み込み、ブックマーク管理画面からブックマークをHTMLファイルに書き出す。そしてMac環境にもFirefoxをインストールしたら、あらかじめ書き出しておいたブックマークファイルを読み込めばいい。
こうすればWindows上のInternet Explorerで使っていたブックマークをMac側にそのまま持ってこれるので、システムとブラウザを同時に変更する際のストレスをかなり軽くできるはずだ。
Firefoxは、標準状態でも十分に優秀なブラウザだが、機能を追加する「拡張」や、外観を変更する「テーマ」が豊富に用意されていることも大きな魅力だ。この部分は、数あるブラウザの中からFirefoxを選ぶ動機の1つにもなるので、ぜひ試しておきたい。
まずはFirefox公式サイト内にある「Firefox Add-ons」コーナーをのぞいてみよう。テーマや拡張などがたくさん紹介されている。
ここでは定番中の定番「Video DownloadHelper」を紹介しておく。Video DownloadHelperは、動画共有サイトなどからビデオファイル本体を抜き出してダウンロードするという機能をFirefoxに追加してくれる拡張だ。一言で表現するなら「動画ファイルぶっこ抜き」である。
もっとも、これだけならMac標準ブラウザの「Safari」を使えばもっと手軽に実現できてしまうのだが、ポイントはあくまでも「標準状態ではできないことも拡張でどんどん強化していける」ということ。例えば「bbs2chreader」で2chリーダー機能を追加できるし、大手のものでは「Googleツールバー」や「mixiツールバー」もある。
一方、ルック&フィールを変更するテーマでは、見た目をMac OS X風にするものが定番になるだろうか。Firefoxのウィンドウ表示がFinderやほかのソフトウェアのテイストにとけ込んでいないのが気になって夜も眠れない、というちょっぴり神経質な人は、導入してみるといいかもしれない。もう、そんなんだったらSafariでいいじゃん、という気もしますが。
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