エムエスアイコンピュータージャパンの低価格ミニノートPC「Wind Notebook U100」は、数あるAtom搭載製品の中でも、“弱点”が少ないモデルとして特筆できる。とかくNetbookといえば、小型ボディゆえキーボードが入力しづらかったり、ストレージの容量が少なかったり、メモリの増設がしにくかったり、ボディの発熱が気になったりと何らかの不満を抱える場合が多く、購入の際に妥協を強いられがちだった。しかし、Wind Notebook U100は突出したものがない半面、クセのないスタンダードなPCとしての存在が光る。
白色LEDバックライトを採用した10型ワイド液晶ディスプレイは、画面解像度こそ1024×600ドットとクラス標準だが、ライバル機の多くが搭載する8.9型に比べて文字が見やすく、キーボードも主要キーで17.5ミリピッチを維持しており、通常のノートPCからの移行もスムーズに行える。ボディサイズは260(幅)×180(奥行き)×19〜31.5(厚さ)ミリと、ほかのNetbookに比べ一回りほど大きくなるが、重量は約1.1キロと平均レベルに収まっている。画面への映り込みが気になる光沢液晶ではなく、非光沢液晶ディスプレイを採用しているのに好感を覚えるユーザーもいるだろう。
ストレージも小容量のSSDではなく、容量80Gバイトの2.5インチSerial ATA HDDを内蔵しており、アプリケーションのインストールやデータの保存で困ることもない。底面のネジを9本回してカバー全体を外す必要があるものの、メモリスロットに1基の空きがあるほか、HDDの換装が可能なのもベテランユーザーにはうれしいところだ。有料となるが。腕に自信がないユーザーにもメモリ増設サービスや、Bluetooth増設サービスが用意されているのも心強い。システムに高い負荷をかけてもボディがそれほど熱を持たず、ファンの風切り音が耳障りに感じないのも好印象だ。
バッテリー容量は3セルと少々心もとないが、10月には6セルの大容量バッテリーが発売される予定だ。日本では、ボディカラーが異なる2色展開(エンパイアブラックとロマンティックピンク)されているが、今回は前者のモデルの内部に迫った。


大容量バッテリー(白)と標準バッテリー(黒)の比較(写真=左)。大容量バッテリーを装着すると、バッテリーが底面に8ミリほど出っ張る(写真=中央)。海外では異なる色のカラーバリエーションが用意される(写真=右)「勝ち組と負け組が見えてきたっぽい」――アキバのNetbook販売状況
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前述した通り、本機は多少分解の必要があるものの、メモリの増設やHDDの換装は行える。ほぼ全分解しなければならないAspire oneに比べればまだ楽だが、底面のネジ9本とカバー全体を外す必要があり、カバーを固定するツメも堅いので、この手の作業に慣れていない場合は素直にメーカーのメモリ増設サービスを利用すべきだろう。ちなみに、Eee PCやHP 2133 Mini-Note PC、Inspiron Mini 9は比較的簡単にメモリスロットへアクセス可能だ。
製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。


液晶ディスプレイ天面は光沢仕様で、中央にMSIのロゴがある(写真=左)。まずはバッテリーを取り外す。3セルバッテリーの容量は11.1ボルト2200mAhだ(写真=中央)。分解には底面にあるこのシールをはがす必要がある(写真=右)。当然、メーカー保証は受けられなくなるので注意しよう

一部のキーを除き、17.5ミリピッチを確保したキーボードを採用する。不規則な配列もなく、Atom搭載ノートPCとしては扱いやすい部類に入る(写真=左)。製品名はWind Netbookn変わったが、左上にあるロゴはWind Notebookのままだ。底面のカバーを取り除いたところ(写真=中央)。メモリスロットは標準で1基の空きがある。こちらは底面カバー(写真=右)

標準装備の1Gバイトメモリ(DDR2-667)はオンボードで提供される(写真=左)。2.5インチのSerial ATA HDDを採用する。厚さ9.5ミリまでのドライブに換装可能で、評価機はウエスタンデジタルのWD Scorpio(WD800BEVS/5400rpm)を搭載していた(写真=中央)。CPUとノースブリッジ(Intel 945GSE)を結ぶ放熱板とシロッコファン(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.