IBMの伝統を守る「ThinkPad X200 Tablet」は何が変わったのか元麻布春男のWatchTower(2/2 ページ)

» 2009年02月25日 11時11分 公開
[元麻布春男,ITmedia]
前のページへ 1|2       

Montevinaプラットフォームがベースのシステム

 PCとしての本体は、45ナノメートルプロセスルールのPenryn(開発コード名)を中核としたMontevinaプラットフォームがベースだ。通常電圧版のCPUであるCore 2 Duo P8400(2.26GHz)か同P8600(2.4GHz)を採用するThinkPad X200に対し、X200 Tabletでは超低電圧版のCore 2 Duo SU9300(1.2GHz)あるいは低電圧版のCore 2 Duo SL9300(1.6GHz)、同SL9400(1.86GHz)を搭載する。低電圧版は超低電圧版に比べ動作クロックが高いだけでなく、2次キャッシュも2倍の6Mバイトとなるため、性能上有利だ。

 この超低電圧版および低電圧版CPUの採用に伴い、チップセットもX200のIntel GM45 Expressから、パッケージを小型化すると同時に、低電圧/超低電圧にも対応するIntel GS45 Expressに変更されている。GS45ではサウスブリッジチップも小型パッケージのICH9M-SSFになっており、標準でAMTのサポートが加わる。そのためか、X200 TabletはvProに対応した製品となっている(X200はvPro非対応)。

 サポートするメモリはX200と同じく、PC3-8500対応のDDR3メモリだ。標準で実装されるのは1Gバイトのモジュール1枚のみ(空きスロット×1)で、最大搭載メモリは4Gバイト(2Gバイトモジュール×2)となる。メモリは底面のパネルを取り外すことで容易に増設可能だが、ほかのオプション(無線関係のモジュール類)は、キーボードユニットを取り外さねばならないのはX200と同様だ。チップセット内蔵グラフィックス(Intel GMA 4500MHD)は、最大256Mバイトをメインメモリと共有する。

 ExpressCard/54スロットや3つのUSB 2.0ポートなど、充実したインタフェースを備えるのもX200と変わりない。デジタイザペンを本体に収納する関係上、一部レイアウトが異なる部分もあるが、基本的なポート類の配置はX200に準じる。本体右側面に収納されるHDDはゴムレールで保護されたうえ、3次元センサーで衝撃から保護されており、これもX200と同じだが、X200 Tabletではこのセンサーを用いてアクティブローテーション機能も実現している。アクティブローテーションとは、本体が保持される方向を3次元センサーにより読み取り、自動的にディスプレイの表示方向を切り替える仕組みで、ユーザーが本体を横向きから縦向きに持ち帰ると、自動的にディスプレイの表示も切り替わる。

Windowsキーを備えた7段配列のキーボードを採用する(写真=左)。メモリースティックやSDメモリーカードを収めるカードスロット(HDDの下)は、奥行きがあり、カードが外にはみ出したりしない(写真=右)

前面にメモリカードスロットや開閉用のラッチがある(写真=左)。背面はバッテリーのみだ(写真=右)

主な端子は左右の両側面にまとまっている。左側面にはアナログRGB出力やギガビット対応の有線LAN、USB 2.0やExpressCardスロット(/54対応)、無線LANの電源スイッチが並ぶ(写真=左)。右側面は2基のUSB 2.0をはじめ、ヘッドフォンやマイク、V.90対応のFAXモデム、HDDベイがある(写真=右)

本機の秀逸な使い勝手を体験できる場所がほしい

 前回のX200と環境をそろえ(メモリを2Gバイトに増設し、OSをWindows Vista Businessに変更)、同じベンチマークテストを実施してみたが、CPUの動作クロックが2.26GHzから1.6GHzに低下したことを反映した結果になっているだけで、傾向に大きな変化はない。2.5インチHDDの採用もあって、モバイル向けノートPCとしては高い性能を備えている。本機に注文があるとしたら、性能より一層の軽量化ということになりそうだが、すでに前モデル(X61 Tablet)から200グラム近く削ったことを考えると、厳しすぎる注文かもしれない。

PCMark05のスコア
CrystalMark 2004R3のスコア
PCMark Vantageのスコア(OSがWindows Media Centerを搭載しないVista Businessのため、TV and Moviesでは一部テストのみ実施)

 一番残念なのは、このThinkPad X200 Tabletを実際に見て、触れる機会がほとんどない、ということだ。ディスプレイの見え具合にしても、手書き入力の書き味にしても、人間の感覚に訴える部分だけに、実際に手に取る機会がなければ、そのよさは分からない。しかし首都圏においても、このX200 Tabletの実機を展示した販売店や量販店はほとんどないのが実情だ。これでは、レノボの営業を呼びつけられるような大企業以外で、本機を買ってくれるところは現れないのではないかと心配になる。Vista以降、せっかくWindowsが標準でTablet機能を備え、ソフトウェア的にも特定用途向けに限らない、一般のユーザーにTablet PCを売り込める環境が整いつつあるというのに、これでは機会を逸してしまう。常設のショウルームやイベント、展示会など、本機に触れる機会を作り出してほしいと思う。

 次回はThinkPad X200sを見ていく予定だ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 鳴り物入りで登場した「Copilotキー」が早くもお蔵入りか──チャットボットからAIエージェントへの移行が示すMicrosoftの誤算 (2026年07月27日)
  2. 64GBメモリ/2TBストレージ/Ryzen AI Max+ 395搭載のハイエンドミニPC「MINISFORUM MS-S1 MAX」がタイムセールで27%オフの43万2799円に (2026年07月25日)
  3. 480mm水冷に160mmファン搭載ケース! 夏のアキバは「大風量パーツ」がアツい (2026年07月27日)
  4. なぜ元Appleエンジニアは熱意を失い起業したのか? スマートグラス「Even G2」イベントで語られた、次世代機「G3」へのロードマップ (2026年07月27日)
  5. エアコンがない部屋を冷やせる「Dreemstar 冷風扇」がセールで50%オフの9980円に (2026年07月23日)
  6. ポタ電と組み合わせて使える「Soraiori ポータブルエアコン」がセールで16%オフの2万9980円に (2026年07月27日)
  7. 高価なグラフィックスカードを守る「過熱保護ケーブル」に注目! 夏を乗り切るNoctua製簡易水冷も販路拡大で続々入荷 (2026年07月25日)
  8. NVIDIAが次世代AI超解像技術「DLSS 5」の今秋投入を明らかに/MicrosoftとMistralが欧州におけるAI演算能力の拡大で戦略的提携を発表 (2026年07月26日)
  9. Jackery、定格1500Wを実現するポータブル電源「1000 New」の新モデル 19%小型化 (2026年07月27日)
  10. プラネックス、10GbE接続に対応した5ポート搭載アンマネージドスイッチ (2026年07月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー