3月13日からいくつかのショップがプレオープンしているツクモ各店が、3月20日にグランドオープンを果たした。前日の19日にはTSUKUMO eX.やツクモパソコン本店I/II/III、DOS/Vパソコン館、ケース王国、12号店などが通常に近い状況で営業していたものの、まだ商品が並びきらない様子だったが、「すでに入荷は済ませています。3月20日は潤沢な在庫で迎えられると思います」(TSUKUMO eX.)と語っていた。
九十九電機は2008年10月30日に民事再生法の適用を申請し、在庫商品の差し押さえによる営業中断などを経験しながら再建に向けて動いていた。2009年3月10日にヤマダ電機の100%子会社に事業譲渡を完了したことで、晴れて今回のグランドオープンとなったわけだ。このため、店内の品ぞろえや価格にはヤマダ電機の影響を感じさせる変化が生じている。
TSUKUMO eX.の店員さんは「PCパーツを重点的に扱うコンセプトは変わりませんが、むき出しの基板を包んだバルク品よりも箱物が多くなりましたね。また、ポイントがつく割合は圧倒的に多くなっています。何も記載のないものは1%、CPUなどは10%以上つく場合があります。これまでは0.4%などの割合もありましたから、ポイントを貯める楽しさは増えたと思います」とコメントしている。
その一方で、「CPUの価格はポイント分を確保するために若干高くなってしまいました。このため、ポイント分を引いた額も価格表に載せるようになりましたね。ヤマダ電機の影響ですか? そりゃありますよ。なにしろ子会社ですから。ただ、店舗にいる人間はこれまで通りなので、店内の雰囲気や接客は変わらないと思ってください」と複雑な心境を覗かせる声も聞いた。
なお、TSUKUMO eX.は4階にあったAMDコーナーが5階のPCケース売り場に移動するなど、フロア構成の変更も見られる。これが事業譲渡の影響であるかは不明だ。
ちなみに同じ3月20日、フェイスグループの中古&ジャンクショップ「じゃんじゃん亭」が末広ビルB1Fに復活を果たした。オープン前日まで店内整理に追われるスタッフの姿が見られたが、同店によると「中古やアウトレット品を大量に入荷したので、一カ所でまとめて販売するために急きょじゃんじゃん亭をオープンさせることになったんです。在庫限りの期間限定営業ですが、なにしろ大量に品物がそろっているので1カ月前後は営業するかもしれませんね」という。目玉商品はノートPCのベアボーンとのこと。突発的な特価品も登場する可能性が高いとのことだ。
なお、じゃんじゃん亭のアウトレット品の仕入れ先は非公開だったが、おっと7号店も3月初旬に大量のアウトレット品を仕入れており、そこにはeX.ブランドのPCも含まれていた。こうした流れについて、某中古ショップの店長は「大きな店舗が閉店したり仕入れ環境に変化が生じたりすると、店舗レベルや代理店レベルで大量のアウトレット品が発生することはありますね。我々としたらチャンスであることは間違いないです」と語っていた。
中古やアウトレット品を扱うGENO OUTLETも「チャンスがあればたくさん仕入れたいですね。ただ、今回はそういった話はウチに来ませんでした。まあ、いろいろなルートがあるんですよね。だからこそ、アキバは似たようなショップがたくさんあっても、それぞれの個性が出るわけです」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.