同日開催された製品発表会では、コーレル代表取締役社長兼Corelシニアバイスプレジデント アジアパシフィックビジネス兼グローバルOEMビジネス担当の堺和夫氏が登壇し、「人間の思考はアナログ的なものだが、コーレルはその感覚をデジタル化する製品を作っている。その代表的な製品がPainterであり、不景気でも新製品を出して明るい話題を提供できればと思う」とあいさつした。
続いて、CorelのPainterプロダクトマネジャーであるロバート・マクドナルド氏が前述の新機能をデモとともに解説した。同氏は開発の経緯を「Painter Xの発表から24カ月以上がたったが、その間にスタジオやユーザーコミュニティーなどを訪ねてリサーチを重ね、その要望を製品に反映した」と説明し、「Painterのユーザーは90%がPhotoshopを使っており、ユーザーは2つのソフトを使い分けることの大切さを知っている。一方がもう一方の代わりになることはなく、2つを組み合わせることが重要だ」とPhotoshopとの連携強化をアピールした。
製品解説の後には、漫画家・イラストレーターの寺田克也氏がPainter 11でイラストを描くデモを行った。同氏はPainterの缶(過去のバージョンは缶のパッケージを採用していた)を集めているというほどのヘビーユーザーだが、壇上では最初に「普段は鉛筆で下絵を描いたものをスキャンしてから、Painterで色を塗っている。最新版の新機能はおろか、レイヤーも使わないし、ブラシも2種類(チョーク/透明水彩)くらいしか使わない。なので、デモの適任者ではないかもしれない」とおどけて見せ、会場の笑いを誘った。
同氏は慣れた操作ですばやくイラストを描きながら、「Painterはあくまで画材の1つに過ぎないと考えていて、Painterのタッチというものがあるので、油絵などを完全に置き換えるものではないと思う。ただ、Painterのおかげで紙と絵の具を使っていたころより、仕事は3〜4倍速くなった。Photoshop上でレイヤーを敷いてペイントするのは、自分が手で描く絵のタッチと違いすぎるので、Painterと出会わなかったら今でも紙と絵の具を使っていただろう。Painterは何より使っていて楽しい」などと、Painterに対する思い入れを語った。
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