新ブラシでリアルな描き味をさらに追求――「Corel Painter 11」発表発表会では寺田克也氏の実演も(2/2 ページ)

» 2009年04月22日 10時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]
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PainterとPhotoshopの連携が大事

 同日開催された製品発表会では、コーレル代表取締役社長兼Corelシニアバイスプレジデント アジアパシフィックビジネス兼グローバルOEMビジネス担当の堺和夫氏が登壇し、「人間の思考はアナログ的なものだが、コーレルはその感覚をデジタル化する製品を作っている。その代表的な製品がPainterであり、不景気でも新製品を出して明るい話題を提供できればと思う」とあいさつした。

 続いて、CorelのPainterプロダクトマネジャーであるロバート・マクドナルド氏が前述の新機能をデモとともに解説した。同氏は開発の経緯を「Painter Xの発表から24カ月以上がたったが、その間にスタジオやユーザーコミュニティーなどを訪ねてリサーチを重ね、その要望を製品に反映した」と説明し、「Painterのユーザーは90%がPhotoshopを使っており、ユーザーは2つのソフトを使い分けることの大切さを知っている。一方がもう一方の代わりになることはなく、2つを組み合わせることが重要だ」とPhotoshopとの連携強化をアピールした。

コーレル代表取締役社長の堺和夫氏(写真=左)。CorelのPainterプロダクトマネジャーであるロバート・マクドナルド氏(写真=右)

“Painterは画材の1つに過ぎないが……”

漫画家・イラストレーターの寺田克也氏

 製品解説の後には、漫画家・イラストレーターの寺田克也氏がPainter 11でイラストを描くデモを行った。同氏はPainterの缶(過去のバージョンは缶のパッケージを採用していた)を集めているというほどのヘビーユーザーだが、壇上では最初に「普段は鉛筆で下絵を描いたものをスキャンしてから、Painterで色を塗っている。最新版の新機能はおろか、レイヤーも使わないし、ブラシも2種類(チョーク/透明水彩)くらいしか使わない。なので、デモの適任者ではないかもしれない」とおどけて見せ、会場の笑いを誘った。

 同氏は慣れた操作ですばやくイラストを描きながら、「Painterはあくまで画材の1つに過ぎないと考えていて、Painterのタッチというものがあるので、油絵などを完全に置き換えるものではないと思う。ただ、Painterのおかげで紙と絵の具を使っていたころより、仕事は3〜4倍速くなった。Photoshop上でレイヤーを敷いてペイントするのは、自分が手で描く絵のタッチと違いすぎるので、Painterと出会わなかったら今でも紙と絵の具を使っていただろう。Painterは何より使っていて楽しい」などと、Painterに対する思い入れを語った。

寺田氏による実演の様子。MacBookとワコム製ペンタブレットを使用し、同氏が「鉛筆に近い質感がある」というチョークを中心に短時間でイラストを描き上げていく。やり直しが自由にできるデジタル環境だけでは、執筆時の緊張感がなくなってしまうので、手書きで下絵を描いてから、緊張感を保ったままPainterで仕上げていくのが普段のスタイルという。最新版については「自宅ではデュアルディスプレイ環境なので、パレットを拡大表示して配置できるようになったのがうれしい」とのこと

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