USB 3.0(Super Speed)は、理論値で最大約5Gbpsのデータ転送速度を持つUSBの後継規格だ。USB 2.0(High Speed)の480Mbpsに比べて約10倍の転送速度を持ち、USB 1.1/2.0との下位互換性も備えている(ただし、USB端子のピンの数が従来の5本から9本に増えているため、Super Speedで動作させるためには、USB 3.0に対応したホストとデバイスに加えて専用ケーブルが必要になる)。また、ホストコントローラとデバイス間でトラフィックがない場合の電源効率が向上したのも特徴だ(USB 3.0の仕様はhttp://www.usb.org/に用意されており、これまで7万8500件ダウンロードされている)。
基調講演の冒頭に登壇したUSBインプリメンターズフォーラム議長のジェフ・ラベンクラフト氏は、今回のカンファレンスをUSB 3.0の開発における「マイルストーンイベント」と位置付け、SuperSpeed USBを用いたインターオペラビリティ(異なるメーカーのホストとデバイスを接続した)デモンストレーションを世界で初めて実施した。また、USB 3.0のタイムラインを示しながら、2008年10月にUSB 3.0の最終仕様が確定したことで今後大幅なスケジュールの変更がないことを明言し、開発が順調に進んでいるとアピール。同氏によれば2010年の早い段階でUSB 3.0搭載製品が市場に登場する見込みだ(ちなみに、展示エリアにブースを構えていたメーカーからは、早ければ2009年中という声も聞こえた)。
このほか、2009年3月のCeBIT 2009でアナウンスしたSuper Speed USB Platform Interoperability Lab(PIL)が、開発ベンダーにとってUSB 3.0の相互運用性を検証できるよい機会になると紹介し、「(シリコンベンダーやサプライヤー、メーカーなど)みんなが協力してこそうまくいく」と、PILへの積極的な参加を呼びかけた。USBはその手軽さから10万種類以上のデバイスが利用されていると言われるが、ジェフ氏はこのUSB 3.0によって低迷する景気の回復に貢献したいと述べ、基調講演を結んだ。
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