RDT241WEXには、簡易的なカラーマネジメントツールの「EASYCOLOR!2」も付属する。対応OSはWindows Vistaが基本だが、Mac版(Mac OS X 10.3.9以降に対応。Mac mini、MacBook、MacBook Proでは動作しない)とWindows XP版のβを同社サイトからダウンロードできる。
EASYCOLOR!2では、付属の色調整用チャートを見ながら、ウィザード形式の画面に従って操作するだけで、室内照明に合った輝度と色温度に調整することが可能だ。調整結果をもとにモニタプロファイルが自動作成され、Windows Vistaの「色の管理」にも自動登録される。詳しい操作手順は下に掲載した一連の画面写真を参照してほしい。
目視による簡易的なカラーマッチングツールなので、調整の正確さは室内照明の環境やユーザーの技量によるところも大きく、高精度とはいいがたいが、初心者でも直感的にチャレンジできるのがポイントだ。
RDT241WEXは価格低下が著しいTN系やVA系の液晶ディスプレイと比べれば高めだが、IPSパネルと12ビットLUT、各種の画質調整機能の組み合わせによって、sRGBの色域で正確性の高い発色環境が得られる点は大きな魅力だ。さらにi1 display 2のようなキャリブレーターがあれば、RDT241WEXの実力を一層引き出せるようになる。
また、これはIPS系パネルの優位点でもあるのだが、視野角による見た目の発色変化が少ない。画面をかなり斜めから見ると、コントラストは低下するが、視線が画面の正面から少しズレたくらいでは色変化が気にならないため、色を扱う作業での効率アップが図れるのだ。
色再現性を最優先するプロ用には上位機「RDT262WH」のようなハードウェアキャリブレーション対応モデルがベターだが、低予算でできるだけ発色が正確な大画面・高解像度ワイド液晶ディスプレイが欲しいと考えていて、Adobe RGBのような広色域のデータは扱わないというユーザーであれば、RDT241WEXがジャストフィットするだろう。とはいえ、どこまで正確な色再現性が必要かは用途によるところが大きい。発色を重視するユーザーは、店頭で実機に触れてみることをおすすめする。
最後に個人的な感想を書かせてもらうと、近年の三菱電機は液晶ディスプレイの潜在的なユーザーニーズをすくい取るのが実にうまい。例えば「VISEO」シリーズはゲームユーザーや豊富なAV入力端子を求めるユーザーから支持を集めているし、今回のRDT241WEXもピンポイントでハマるユーザー層が確実に存在するはずだ。今後も個性的かつユーザーニーズに合致した製品の投入を期待して、開発陣にはエールを送りたい。
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