11.6型WXGA液晶×10.7時間駆動で魅せる貝殻ノート――「Eee PC 1101HA」を駆る元祖Netbookに新展開(3/3 ページ)

» 2009年08月11日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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常時接続環境で10時間のバッテリー駆動を実証

 1101HAが採用するAtom Z系のプラットフォームは、本来MID(携帯インターネット端末)やUMPC向けに位置付けられているものだ。しかも、Atom Z500シリーズの中でも動作クロックが1.33GHzと低いZ520を搭載しているだけあって、性能はあまり期待できない。

 PC USERで行っている定番ベンチマークテストの結果を下に掲載したが、Atom N280+945GSEを搭載した標準的なNetbookである1008HAと比べても、PCMark05の総合スコアで約70%程度にとどまる。特にCPU、Graphicsのスコアは低調だ。体感的には、特にWindows XPの動作がモタつくという印象はないが、比べてみればやはり違いは感じる。

左から、PCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のテスト結果

BBench 1.01を用いたバッテリー駆動時間テストの結果

 一方、Atom Z520とUS15Wを合わせたTDP(熱設計電力)の数値は4.5ワットで、Atom N280+Intel 945GSE Express+ICH7-Mの組み合わせより3.5ワット低いというメリットがある。その効果はバッテリーの駆動時間として表れるはずだ。

 そこで、BBench 1.01(海人氏作)を用いたバッテリー駆動時間のテストも行った。本体の各種設定は1008HAのテスト時と共通で、省電力機能の「Super Hybrid Engine」は標準の「Auto(バッテリー駆動時はPower Saving)モード」、ディスプレイの輝度は16段階中8段階目で統一した。BBenchの設定は「120秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「20秒間隔でのキーストローク」で行なっている。

 テスト結果は省電力のシステムと容量の大きなバッテリーが生かされ、611分(10時間11分)と公称値の約10.7時間に迫るスコアが得られた。1008HAのスコアも5時間7分で、Netbookにしては優秀だが、その2倍近い長時間駆動が可能な点には驚かされる。この長時間のバッテリー駆動は、1101HAの大きな特徴といえる。

 PCMark05、3DMark06と連続でベンチマークテストを実行した直後のボディ各部の温度は下に掲載した通りだ。室温27.5度という高めの環境でも手が多く触れるパームレストの温度は低く保たれ、不快感はほとんどない。ただし、静音性についてはWebブラウザ程度の負荷でも敏感に反応して、そこそこの音でファンが回転するため、1008HAに比べると見劣りする。もっとも、1008HAはファン搭載のNetbookでは静音性が非常に高い製品だ。ノートPC全体の水準で見れば、1101HAの静音性は優秀な部類に入る。

発熱テストの結果(写真=左)、騒音テストの結果(写真=右)

高解像度と長時間駆動を求めるユーザーへ

 前述したように、1101HAは貝殻風のデザインを採用していながら、兄弟機の1008HAとは性格がかなり異なる製品に仕上がっている。Atom Z520とUS15Wの採用により、パフォーマンス面は控えめながら、高解像度のワイド液晶ディスプレイや、長時間のバッテリー駆動を得た点は大きなアドバンテージに違いない。

 ボディサイズが大きいぶん、USBポートは3基あり、アナログRGB出力端子に汎用コネクタを採用し、バッテリーパックが着脱できるなど、1008HAがボディデザインのために犠牲にした部分がなく、こうした使い勝手も良好だ。

 価格は、Microsoft Office Personal 2007(2年間ライセンス版)セットモデルが6万4800円、Officeなしのモデル(StarSuite 8付属)が5万6800円となっている。通常のNetbookよりも若干高めの価格設定だが、Netbookの作業領域の狭さや短いバッテリー駆動時間が不満だったユーザーにはジャストフィットするだろう。こうした1101HAの強みや貝殻風のデザインに魅力を感じるならば、おすすめしたい製品だ。

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