「Eee PC 1008HA」の貝殻ボディに秘められた実力を探るS101/S101Hとガッツリ比較(3/3 ページ)

» 2009年07月14日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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バッテリー駆動時間、静音性、放熱性は優秀

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏作)を用いて行った。省電力機能の「Super Hybrid Engine」は標準の「Auto(バッテリ駆動時はPower Saving)モード」、ディスプレイの輝度は16段階中8段階目で統一した。BBenchの設定は「120秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「20秒間隔でのキーストローク」としている。

詳しくは別記事で紹介しているが、本体を分解してトップカバーを外すと、ボディの下部に薄型のリチウムポリマーバッテリーパックが内蔵されているのが分かる(写真=左)。内蔵のリチウムポリマーバッテリーは、容量10.96ボルト 2900mAhだった(写真=中央)。付属のACアダプタは、突起部を含めない実測でのサイズが35(幅)×85(奥行き)×26(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量が約215グラムと小型軽量だ(写真=右)

BBench 1.01を使ったバッテリー駆動時間テストの結果

 結果は1008HAが最も優秀で5時間以上と、公称の駆動時間(約5.5時間)に迫っている。公称駆動時間が約6時間のS101も約4時間半と決して悪くはない。公称4時間に対して約3.5時間のS101Hも妥当な結果といえる。

 静音性、発熱の処理もまた実に優秀だ。暗騒音が32デシベル、室温が26度の室内で測定した動作時の騒音レベル(ボディ前面から5センチの距離で測定)を下のグラフに示した。どのモデルも優秀だが、特に1008HAは最も静かで、アイドル時はもちろん、高負荷時でもほとんど違いが分からない。測定環境の暗騒音がやや高めという事情はあるものの、本体底面に耳をピッタリつけてやっとファンが回っていることが分かる程度なのは驚く。S101は耳を1〜2センチまで近づけると聞こえる程度、S101Hは5センチくらいの距離でも確認できる程度だった。

 CPUの動作クロックが高く、薄型化もしているのに1008HAの静音性が最も優れているのは、内部の基板の小型化が貢献していると思われる。また、実際に聞いてみた動作音の印象からは、ファン自体もよりモーターの精度の高いものが使われているようにも感じられる。もっとも、ここまで静音性が高い中での比較となると、個体差の部分もあるのかもしれない。いずれにしても、3つのモデルの静音性が非常に優秀であることには違いなく、机の上に置いて使用しているユーザーにはファンノイズがほとんど分からない。

 静かなだけでなく、発熱の処理も優れている。PCMark05と3DMark06を連続して実行した後の本体各部の温度を下のグラフに示したが、いずれのモデルも通常利用で手が触れる表面部分に不快な熱を持つことはなかった。1008HAやS101は底面左奥が少し熱くなるが、それでもヒザの上に乗せて使えないような温度ではない。ボディの厚みがあり、ファンの動作音も大きめのS101Hは、底面もあまり熱くならなかった。

 いずれのモデルでもNetbookには明らかに厳しい3DMark06などを実行させている最中に大きな音を立てず、しかもパームレストに不快な熱が帯びてこないのは立派だ。

騒音テストの結果(写真=左)、発熱テストの結果(写真=右)

数あるNetbookの中でもキラリと光る存在

 Eee PC 1008HAはパフォーマンス、バッテリー駆動時間、静音性、発熱の処理など、Netbookとしての基本的な部分はどれをとっても非常に高いレベルにある。もともと完成度が高かった従来のEee PC Sシリーズをさらに上回る静音性やバッテリー駆動時間を実現しているのは特筆したい。

 使い勝手の面で気になる点としては、バッテリーパックが着脱できない、USBポートがNetbookの標準より1基少ない、カーソルの上下キーのサイズが小さいなどが挙げられるが、いずれもNetbookとして一般的なユーザーが使ううえで致命的な欠点とはいえず、慣れや工夫で解決できるものといえる。貝殻デザインの小型軽量ボディと天秤にかければ、ガマンできるという人も多そうだ。

 それだけこのエレガントなフォルムは見た目にも新鮮だし、手に持ってみても心地よく、何ともいえない魅力を備えている。5万円でこれだけ存在感がある製品は、なかなか見当たらないのではないだろうか。似たような仕様の製品で飽和気味のNetbookの中にあっても、キラリと光るものを持った1台といえる。上記の使い勝手の部分を許容できるならば、購入する価値は大いにある。

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