P55&Core i7搭載マシンで仮想8コアを楽しむ――ツートップ「VIP」シリーズWindows 7登場前に買うべきPCは?(3/3 ページ)

» 2009年10月05日 18時00分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
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基本性能は十分満足! もちろんWindows 7 RCも軽快に動作

 さて、これまでVIP i7860P55/GTS250の詳細を見てきた。拡張カードの部分に若干の問題を抱えているものの、現状であれば必要なのは地デジ対応のTVチューナーカードくらいなので、残っているPCI Express x1スロットをそれに当てBDドライブを搭載してBDタイトル観賞までは十分にフォローすることが可能だろう。

 そもそもVIP i7860P55/GTS250の位置付けは、オーソドックスなスタンダードモデルであり、3Dバリバリのハイエンドゲームマシンというわけではない。満足できる基本性能を押さえつつ、長く使い続けることが可能なモデルという位置にあると考えればいいだろう。

 それでも最新のP55チップセットとCore i7、それに性能的にも十分なGeForce GTS 250搭載グラフィックスカードの組み合わせである。標準でインストールされているOSはWindows Vista Home Premium(SP1)だが、Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスの結果はオール5.9と十分だ。またRC版のWindows 7 Ultimate(32ビット)をインストールしてみたが、Windows 7のエクスペリエンスインデックスもHDDが最低スコアの5.9で、CPUやメモリ、グラフィックス性能は、それ以上のスコアとなった。実際の操作感もサクサクと軽快に動いており、そのままWindows 7に乗り換えてもまったく問題はないはずだ。

プリインストールのWindows Vista Home Premium(SP1)でのエクスペリエンスインデックス。オール5.9となっており、Vistaをサクサクと動かすだけの実力を持っていることが分かる(画面=左)。RC版のWindows 7 Ultimate(32ビット)でエクスペリエンスインデックスを実施。最も低いサブスコアがHDDの5.9でグラフィックスが6.1、CPUとメモリは7を超えておりWindows 7でも高い性能を発揮した(画面=中央)。Core i7-860(2.80GHz)は、クアッドコアとHyper Threadingの組み合わせによってWindowsからは8コア(オクタコア)として認識されている。通常利用では体感できるほどの違いはないが将来的にメニーコア対応アプリが登場してきたときに大きなアドバンテージがあると言える(画面=右)

 そこでプリインストールのWindows Vista Home Premium(SP1)とRC版のWindows 7 Ultimate(32ビット)でベンチマークを行い違いをチェックした。行ったテストはPCMark05と3DMark06(1280×1024/1600×1200ドット)、3DMark Vantage 1.0.1(CPU/Graphics)とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3である。

 なお各種ドライバ類に関しては、Windows Vistaの場合はプリインストール状態でWindows 7には、OSが持つ標準ドライバとWindows 7対応のチップセット情報(infファイル)、GeForce GTS 250用のWindows 7対応のION Driver Release 190(190.62)を導入して計測した。

 結果はグラフにした通りだが、PCmark05でのCPU ScoreはWindows VistaもWindows 7もともに1万の大台を越えており、Core i7の面目躍如といったところだ。またMemory Scoreも1万オーバーでP55のメモリアクセス性能が十分に発揮されていることが分かる。ただし、グラフィックスのスコア(Graphics Score)がVistaと比べると大幅に落ち込んでしまっている。これはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3でも同様の傾向が見られたので、おそらくDirectX 9に関連した部分でWindows 7用対応ドライバのチューニングがあまりうまく進んでいないためだと思われる。

PCmark05の結果

 次に3DMark06の結果を見てみよう。こちらはPCMark05とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果とは逆で、Windows 7のほうが若干だがパフォーマンスがアップしている。もちろん計測誤差の範囲内と見ることもできるがDirectX 10専用ベンチである3DMark Vantage 1.0.1を見るとCPU Score/Graphics ScoreともにWindows 7のほうが高い数値となっているので、Windows 7ではDirectX 9よりDirectX 10に合ったチューニングとなっているのかもしれない。これらの結果から見てもVistaからWindows 7に乗り換えたからといって急激にパフォーマンスが落ちるわけではなく、CPUやメモリアクセス性能が向上する可能性があることを示していると言える。

3DMark06の結果

3DMark Vantageの結果

 またFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3に関しては、Windows VistaもWindows 7もLow設定でスコア1万越えと余裕のパフォーマンスを叩き出した。Windows 7でHigh設定でのスコアの落ち込みがやや気になるものの、それでも7000超えと十分だ。これなら各種効果を有効にしたDirectX 9対応ゲームであってもWindows 7上で快適にプレイできるはずだ。

FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果

いますぐに買っておいても損はない1台

 以上のように、VIP i7860P55/GTS250はいますぐに購入したとしてもスペックと性能的に不満のない製品と言える。ビジネス利用から3Dゲームまで余裕でこなせる性能を持っていることはここまで見てきたとおりで、P55とCore i7-860(2.80GHz)で自作することを考えれば高い買い物ではないだろう。

 また、もうすぐWindows 7が出てくるのでそれまで待っているような人も多いと思うが、購入時のOS選択でWindows 7アップグレードクーポンを選んでおけばWindows VistaからWindows 7に無料でアップグレードできる。このアップグレードクーポンは、Windows Vista Home PremiumからはWindows 7 Home Premiumへ、Windows Vista BusinessからはWindows 7 Professionalへ、Windows Vista UltimateからはWindows 7 Ultimateへアップグレードが可能なので、利用したいエディションのアップグレードクーポンを選ぶようにしたい。もちろん、Windows 7を使ってみて気に入らなかった場合、Windows Vistaに戻すこともできる。「Windows 7の導入はしばらく様子を見てから」という人なら、標準のWindows Vista Home Premiumを選択して、そのまま使ったとしても満足度は高いはずだ。

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