高速IPS液晶と超解像が光る23型フルHD液晶――三菱「RDT231WM-X(BK)」を攻略するここまでデキて5万円前後(3/3 ページ)

» 2009年11月20日 11時00分 公開
[林利明(撮影:矢野渉),ITmedia]
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設定切り替えを容易にするカード型リモコンが付属

 OSDメニューの機能は充実している。前述のDV MODEは「静止画」と「動画」に大別でき、静止画はスタンダード/IVテキスト/フォト/sRGB、動画はTV/シネマといったモードが用意されている。ダイナミックコントラストのオン/オフや、映像に合わせてバックライト輝度をリアルタイムで制御する「CRO」(コントラスト・レシオ・オプティマイザー)のオン/オフなども可能だ。

 そのほか、ブライトネス、コントラスト、ブラックレベル、色温度(5000K/6500K/9300K/USER)、色合い、色の濃さ、シャープネスなども調整できる。スケーリング機能は、フルスクリーン拡大、アスペクト比を保持した拡大、自動選択の設定があり、ドットバイドット表示の設定はない。こうした設定内容は入力系統ごとに記録してくれるので、接続機器ごとに画質を追い込みやすいだろう。

 OSDメニューを操作するボタンは、前面中央の下部にある。フレーム下部の下側から上に向かって押し上げるタイプだ。「MENU/下」ボタンでOSDメニューの表示や設定項目の選択、「左」ボタンと「右」ボタンで設定値の選択(決定)、「INPUT/EXIT」ボタンでOSDメニューの階層を戻ったり、OSDメニューをオフにする。左右のボタンにはショートカット(ホットキー)が割り当てられ、デフォルトは左ボタンがDV MODEの切り替え、右ボタンが内蔵スピーカーの音量調整だ。ホットキーで呼び出す内容はユーザーがカスタマイズできる。

 RDT231WM-X(BK)にはカード型リモコンも付属し、入力系統の切り替えやブライトネス、超解像の強度、スケーリング機能、内蔵スピーカーの音量、オフタイマーなどの設定が手軽に行える。入力系統ごとにボタンが用意されているので、目的の入力へとワンタッチで切り替えられるのがありがたい。

 ただし、OSDメニューを操作するボタン類(MENUボタンや左右ボタンなど)はないので、リモコンですべての設定を行うことはできない。DV MODEの静止画モードと動画モードを切り替えることは可能なので、あらかじめOSDメニューで静止画用と動画用の設定を自分なりにカスタマイズしておくと使いやすいだろう。

カード型リモコンが付属する(写真=左)。操作ボタンは目立たないように、画面下に配置されている(写真=中央)。DV MODEは静止画用と動画用のモードに分かれている(写真=右)

簡易的なカラーマネジメント機能も用意

「EASYCOLOR!2」は、ウィザード形式で室内照明に合った輝度と色温度に調整することが可能だ。

 RDT231WM-X(BK)には、簡易的なカラーマネジメントツールの「EASYCOLOR!2」も付属する。付属の色調整用チャートと画面を見比べながら、両者の発色が同じになるように、EASYCOLOR!2の画面上で色を調整するツールだ。測色器などは使わず、作業はウィザード形式で画面の案内に従うだけで進められるため、迷うことはない。調整結果はICCプロファイルとしてOSに登録される。

 EASYCOLOR!2の詳しい機能と使い方は「RDT241WEX」のレビュー記事(“ちょい上”の液晶が欲しいなら:IPSでも割安な24.1型WUXGA液晶ディスプレイ――三菱電機「RDT241WEX」に迫る)を参照してほしい。

 現在はWindows Vista用とMac OS X 10.3.9〜10.5.8用があり、Windows XP用β版を三菱電機のWebサイトからダウンロードできる。今後も対応OSは順次拡充される見込みで、Windows 7やMac OS X 10.6 Snow Leopardの正式サポートに期待したい。

 RDT231WM-X(BK)は動画用の高画質化技術が目立つモデルだが、視野角特性がよいIPS液晶パネルや、階調性を高める10ビットガンマ補正機能も装備しているため、広色域表示のニーズには対応しないが、静止画の表示品質もなかなかのものだ。

映像重視&高画質指向のユーザーにおすすめ嗜好

 現在の液晶ディスプレイ市場を全体的に見渡してみると、RDT231WM-X(BK)は付加価値が非常に高い製品といえるだろう。超解像技術に代表されるギガクリア・エンジンの搭載はもちろん、“高速応答のIPS液晶パネル”という点は、特に大きなパワーがある。豊富な入力端子とカード型リモコンの採用による操作性向上もうれしい。

 これほど多くの要素を詰め込んだ液晶ディスプレイでありながら、2009年11月20日現在の実売価格は大手量販店で5万円強、オンラインショップでは4万円台半ば近くまで下がっている場合もあり、コストパフォーマンスは良好だ。普段からPCでさまざまな映像コンテンツを視聴していて、AV機器やゲーム機も接続して高品位に表示できる液晶ディスプレイを探しているならば、RDT231WM-X(BK)が強力な候補になるのは間違いない。

 RDT231WM-X(BK)を検討するうえで1つ迷う要素があるとすれば、ゲーム用途のユーザーだ。動画ブレの低減においては、同社のVISEOシリーズに属する「MDT243WGII」のほうが優位に立つ。黒画面挿入、バックライトスキャンニング、オーバードライブを組み合わせた動画ブレ低減技術「MP ENGINE II」を搭載しているからだ。ゲーム表示を重視するならば、ぜひ店頭でRDT231WM-X(BK)とMDT243WGIIを見比べてみてほしい。

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