「Let'snote R9」で超低電圧なCore i7の“モバイル力”を試すがんこな“R”もArrandaleは載せました(3/3 ページ)

» 2010年01月25日 17時30分 公開
[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]
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2コア/4スレッドとTurbo Boostの効果は絶大。バッテリー駆動時間は……

ベンチマークテスト R9 R8
■PCMArkVantage
PCMark Suite 3622 2970
Memory suite 1991 1973
TV and Movies Suite 2439 2356
Gameing suite 1985 1558
Music sutite 3878 3393
Communication Suite 4410 2909
Productiviity suite 2957 2226
HDD test 3009 2988
■PCMark05
PCMark 3914 3372
CPU 4490 4202
Memory 4431 3804
Graphics 1840 1385
HDD 4646 5048
■3DMark06
3DMark Score 1213 771
SM2.0 357 237
HDR/SM3.0 510 304
CPU 1503 1457
■FF XI Bench3
High 1623 1625
Low 2416 2332
■CrystaDiskMark 2.2:リード(Test Size:100Mバイト)
シーケンシャル 78.6 62.53
ランダム512KB 30.5 29.05
ランダム4KB 0.376 0.407
■CrystaDiskMark 2.2:ライト(Test Size:100Mバイト)
シーケンシャル 77.86 62.42
ランダム512KB 30.5 29.05
ランダム4KB 1.054 1.078
■CineBenchR10
Single CPU 2218 1841
Multiple CPU 3542 3307

 Let'snote R9とLet'snote R8のパフォーマンスをベンチマークテストの「PCMark Vantage」「PCMark05」「3DMark06」「CINEBENCH R10」「CrystalDiskMark 2.2」「FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3」を用いて比較した。なお、以上のベンチマークテストにおいて、電源プランはどちらも高パフォーマンスに設定した。

 PCMark Vantage、PCMark05の測定結果で、総合値のPCMarksでは、ともにLet'snote R9がLet'snote R8を上回る。個別の項目を確認しても、PCMark Vanatgeはすべての個別結果でLet'snote R9が上回り、PCMark05でもHDD以外はLet'snote R9が高い値を示す。PCMark VantageのCommunication Suiteで結果の差が大きいが、これは、テストにAESのデータ暗号化/復号化処理が含まれているためだ(WestmereコアにAES処理に特化した命令「AES-NI」が実装されている)。同じ傾向は「モバイル向け新Core iシリーズのCPU性能をじっくり調べてみた」で行ったベンチマークテストでも確認されている。

 PCMark05のHDDテスト結果で、Let'snote R9がLet'snote R8を下回っているが、HDDのパフォーマンスを測定するCrystalDiskMark 2.2において、シーケンシャルテストのリードとライトでは、Let'snote R9がLet'snote R8を上回り、ランダムアクセスの512Kバイト設定ではほぼ同じ、ランダムアクセスの4Kバイト設定でもほぼ同等ながら、数値的にはLet'snote R8が上回る傾向が確認された。

 CINEBENCH R10では、Single CPUのレンダリング処理でCore i7-620UM搭載のLet'snote R9がLet'snote R8を大きく引き離した。Mulltiple CPUによるレンダリング処理でも4スレッド同時処理が行えるLet'snote R9が高い結果を出しているが、その差は4スレッド同時処理と2スレッド同時処理のシステムの比較にしてはそれほど開いていない。

 バッテリー駆動時間の比較は、BBench 1.01(海人氏・作)で「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」「無線LAN常時有効」「電源プランはバランス」(ただし、液晶ディスプレイの輝度は手動で最大に設定)の条件で測定した。結果はLet'snote R9が4.9時間であったのに対し、Let'snote R8は3.8時間にとどまった。パナソニックの公称バッテリー駆動時間はLet'snote R9で約7.5時間と、Let'snote R8の約8時間から30分ほど短くなっている。BBench 1.01の測定ではLet'snote R9がより長い時間駆動する結果になっているが、これは、Let'snote R8においてBBench 1.01の実行中に何度か不具合が発生して測定が中断するなど、安定しない状況で測定された値であるため、参考値として扱っていただきたい。

Let'snote R9(写真=左)とLet'snote R8(写真=右)でチェックしたWindowsエクスペリエンスインデックス。グラフィクス項目以外はLet'snote R9が高い値を示した

最新プラットフォームでパフォーマンスは大きく改善したが……

 インテルのノートPC向け最新プラットフォームを採用した効果はベンチマークテストの結果でも明らかなように、TBTが有効に働く条件で大幅に向上した。NetbookやCULVノートPCといった安価なモバイルノートPCとは、明確に違う、ビジネスに耐えうるパフォーマンスを備えたモバイルノートPCというLet'snote R9のコンセプトは十分に実現していると考えていい。

 Let'snote R9の評価で難しいのは、やはり、変わらないボディと、そこに搭載された液晶ディスプレイ、インタフェースの仕様だろう。これまでLet'snote Rシリーズを使い続けてきて、10.4型ワイドの液晶ディスプレイで視認する1024×768ドットの表示や、USB 2.0の場所と数に問題を感じなかったユーザーは、処理能力が改善されたLet'snote R9へのリプレースをぜひ検討してもらいたい。一方で、Let'snote R9に液晶ディスプレイ解像度の向上や本体に用意されたインタフェースの改善を期待していたユーザーは、次のモデルを待つか、Let'snote S9、または、Let'snote N9へ乗り換えるかで、しばし頭を悩ませることになるだろう。

デバイスマネージャーで確認したLet'snote R9の構成

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