COMPUTEX TAIPEIやInternational CES、そして、今回のCeBITと、IT関連イベントで“お楽しみ”なのが、「正式発表前のフライング展示」であることは、多くのPC USER読者に「うんうん、そうだそうだ」とうなずいてもらえると思う。
CeBIT 2010で直近の正式発表前“アイテム”といえば、インテルのCPUで開発コード名「Gulftown」だ。なんといっても内蔵するコアが、従来の4つから6つと、一気に「50%増」することになる。2010年上半期に登場するCPUでは最大のトピックとして、パワーゲーマーやオーバークロッカーをはじめとする自作PCユーザーからの期待も高い。
その“Gulftown”のライブデモが、PCパーツベンダーが集うHall 17を中心に行われている。CeBITでは、企業のカテゴリーごとに展示ブースを同じ棟にまとめる。PCパーツベンダーが集まったHall 17は、当然ながら台湾ベンダーが集まることになるが、おかげで、ドイツでやっているはずのCeBITがそのエリアだけ台湾でやっているCOMPUTX TAIPEIに近い雰囲気になっている。
Hall 17のあちらこちらでインテルの次期ハイエンドCPUで6コア搭載のGulftownのデモが、さりげなく“地味に”行われているが、そのなかの1つが「あのっ!」ASRockだ。ここでは、ライブデモの情報を比較的自由に公開していたASRockのブースで行われていたシステムから、CPU-Z 1.52で示されたGulftownのスペックやベンチマークテストのスコア、そして、Windowsエクスペリエンスインデックスの値を紹介しよう。
ASRockでは、Gulftownを載せるマザーボードに、Intel X58 Express搭載の「X58 Extreme3」を使用していた。ほかに、メモリはDDR3-1066の4Gバイトを6枚、グラフィックスカードはPowerColerのHD5850搭載カード2枚組み、HDDはシーゲイトのSerial ATA 6.0Gbps対応1Tバイトを組み込んでいる。CPU以外も最強水準の構成だ。
CPU-Z 1.52でチェックしたGulftownの型番は、「Core i7-X980」とネットなどで“うわさ”されている名称に近い。定格動作クロックは3.33GHzだが、CPU-Zで示されたCore Speedには3481MHzの値も示されている。キャッシュメモリの容量は、32Kバイトの1次キャッシュと256Kバイトの2次キャッシュがコアごとに用意されるほか、コアで共有する3次キャッシュを12Mバイト実装する。コアの数は「6」と表記されているが、Hyper-Threading Technologyに対応しているということでThreadsの値は「12」となる。なお、コア駆動電圧は1.224ボルトと表示されている。
ベンチマークテストは、SUPER PIとCINEBENCH R10が実行されていた。CINEBENCH R10のMultiple Rendering Testが始まると、評価用の画像が12分割されて処理が行われて迫力がある。また、Windowsエクスペリエンスインデックスのプロセッサ項目では、現時点の最高点といわれる7.9にあと少しで手が届く「7.8」をマークしていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.