「いろいろ頼む」とドコモ山田社長から──NTTBP+バッファロー共同開発の「ポータブルWi-Fi」

» 2010年05月25日 20時33分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

“FOMAネットワーク対応”のポータブル無線LANルータ

photo 「ポータブルWi-Fi」を手にするNTTBPの小林忠男社長(左)とバッファローの斉木邦明社長(右)

 バッファローとNTTBP(エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム)は5月25日、NTTドコモのFOMAネットワークを利用できる小型無線LANルータ「ポータブルWi-Fi」を発表、6月24日に発売する。

 ポータブルWi-Fiは、2009年にNTTBPが実施し、約500人が参加した「Personal Wireless Router」(PWR)のモニターテストの結果をふまえて製品化された。同テストにおいて、ボディの発熱性やバッテリー動作時間などの課題が明らかになったが、3G/無線LAN/固定回線をシームレスに切り替えながら運用できるNTTBP開発の“コグニティブ”機能が高く評価され、かつ課題が改善された場合の購入意向が9割を超えたことから、バッファローとの共同開発することで製品化を決めた。

photophoto PWRテストでキーコンセプトが特に受け入れられ、一部品質改善が行われるなら9割が購入意向を示した。課題の解決とより高度化・高機能化を図りつつ、バッファローと協力して製品化することに決まった

 「当初は2009年末に発売する予定だったが、ハードウェア/ソフトウェアともに、ゼロから作り直すことに決めた。PWRの始まりは、無線通信の速度とエリアは本来トレードオフとなる項目であり、単体の通信機能・機器ですべて満足させることはできない──という考えがあったため。また、状況に応じて回線を切り替えることによる効用に、“3Gネットワークからのトラフィックオフロード効果が高い”ことも大きなメリットであることが分かった。急増しつつある3Gネットワークトラフィックの負荷を分散しつつ、(高速に通信できることで)ユーザーメリットにもつながる──この機能の有用性は今後、より高まってくると思う」(NTTBP代表取締役 小林忠男社長)

 ポータブルWi-Fiの製品版は、熱とバッテリー問題以外に、

  • 回線切り替えが飛躍的にスムーズに
  • 上り5.6MbpsのHSUPAと800MHz帯のFOMAプラスエリアにも対応(対応エリアで上り速度も向上、より広いエリアに対応)
  • インターネット側無線LAN機能がIEEE8012.11aに対応(LAN側の無線と電波干渉しにくくなる)

 などの機能向上も果たした。

 本体価格は3万7000円。PC周辺機器単体の価格として見るとやや高額だが、「本体購入+NTTドコモの通信契約」でセットで行うことで、実質の本体価格を割り引く販売方法──いわゆる“100円PC”と似た方法を各家電量販店は採用すると思われる。ちなみにポータブルWi-Fiは、NTTドコモが展開する「定額データプラン 新規加入キャンペーン」において、L-05AやL-07Aなどの“ドコモ製品”と同様、ドコモからすると他社の製品ながらも対象製品になっている。これはかなり珍しいことのように思う。

photo LTEや4G、IEEE802.11n(無線LAN)など、新規格のワイヤレスサービスも今後対応していく考え

 「バッファローは、2009年にコーポレートステートメントを“デジタルライフ、もっと快適に”へ変更したが、ポータブルWi-Fiはまさにこれを実践する製品に仕上がった。開発にはかなり苦労したが、本当に“自信作”だ。やや死語となりつつある“ユビキタス”という言葉が、いま一度よみがえるのではないかとも思っている」(バッファロー代表取締役の斉木邦明社長)

 「コグニティブ機能の技術をより推進し、LTEや4G、IEEE802.11n、WiMAXなど新世代通信への対応も柔軟に行いたい。先ほど、NTTグループの社長会合で会った(NTTドコモの)山田隆持社長から、“いろいろ頼む──”と言われた(笑)。おそらく、本当にいろいろだと思う」(小林社長)

 なお、ドコモと回線契約を行えるようにする(かつ、“定額データプラン スタンダード バリュー+定額データ スタンダード割”の料金プランを選択できるようにする)──関係で“FOMAカードのみ”とするSIMロックがかけられ、イー・モバイルやソフトバンクモバイルなどの国内他社、および海外キャリアのSIMカードは現時点では使用できない。ただし、「PWRテスト時から“海外でもそのまま利用可能に”という要望はかなりあった。SIMフリー化についても今後の検討課題したい」という。


photo  

 2009年のPWRテスト時より、全国で「路上から生放送」してきたDJ兼アーティスト、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏も登壇。今後はPWR改めポータブルWi-FiとUstreamで活動していくという。同氏のWebサイト「i-morley」で、毎週火曜日の21時からポータブルWi-Fiを用いたリアルタイム中継を行っている。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月26日 更新
  1. Anthropicが常時稼働するエージェント「Claude Duet」を発表/AMDとIntelが協業 PyTorchのx86 CPU最適化を「oneDNN」に一本化 (2026年10月25日)
  2. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  3. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  4. 定格1650Wの7.5万円電源&Noctuaファン採用の異常検知アダプターが登場! (2026年10月24日)
  5. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  6. エイサー、Ryzen 3/5を搭載したコンパクトデスクトップPC Amazon専売モデルも用意 (2026年10月23日)
  7. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  8. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  9. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  10. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー