ThinkPadでOptimus Technologyを使うメリットとは元麻布春男のWatchTower(3/3 ページ)

» 2010年10月18日 16時00分 公開
[元麻布春男,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

マルチディスプレイ環境の構築にも有効

統合型グラフィックスコアと外付けGPUの両方のディスプレイコントローラを用いることで、最大4画面をサポートする(この写真では3画面だが、実際には外付けGPUの2番目のポートを使うことで4画面表示が可能

 こうした、“3D専用アクセラレータ”的な発想は、Optimus Technologyが初めてではない。DirectXが登場した初期にあった「PowerVR」ベースの3Dアクセラレータ(NECのPC 3DEngineなど)においても、同じようなことがPCIバスベースで実現されていた(デスクトップPC向けだが)。Optimus Technologyでは、アクセラレータにディスプレイコントローラを内蔵したGPUを採用していることで、もう“ひとひねり”ができる。それは、外付けGPUのディスプレイコントローラを利用することで、内蔵液晶ディスプレイを含め、最大4台のディスプレイ出力を実現していることだ。

 とはいっても、普通のノートPCに外部ディスプレイコネクタは3基も用意されていない。ThinkPad Tシリーズの場合、本体が備える外部ディスプレイコネクタはDisplayPortの1基のみだ。つまり、4画面(搭載する液晶ディスプレイ+外部ディスプレイ3台)構成を利用するには、最低2ポートの外部ディスプレイコネクタを備えたドッキングステーションが必須になる。

ビジネス向けでより真価を発揮するOptimus

ThinkPad Tシリーズを用いた4画面同時表示のデモ

 Optimus Technologyそのものは、NVIDIAが開発したものであり、この技術を採用したノートPCは、ThinkPadが初めてではない。すでにコンシューマー向けのノートPCでOptimus搭載製品がいくつか発表されているが、ドッキングステーションなどのアクセサリを標準サポートしたビジネス向けノートPCとしては、今回発表されたThinkPadシリーズが初めてとなる(採用する外付けGPUもビジネス向けのNVS3100Mだ)。

 現在、ThinkPad Tシリーズで4画面構成に利用可能なドッキングステーションとして、ThinkPadミニ・ドック3(433710J)と、ThinkPadミニ・ドック・プラス3(433810J)の2つを用意している。前者では、DVIとDisplayPortの2基、後者ではアナログVGA出力、DVI×2基、DisplayPort×2基の中から、2つを選んで接続する。なお、4台構成で利用した場合も、外付けGPUと統合型グラフィックスコア間のリンクは生きており、どの画面上で3Dアプリケーションを起動しても、Optimus Technologyによるアクセラレーションを利用できる。

 Optimus Technologyの採用により、ThinkPadのバッテリー駆動時間は、外部GPU専用モデルやスイッチャブルグラフィックスモデルと比べ33%向上したという。また、統合型グラフィックスコアのみを採用するモデルに対して、3D性能は70%向上したとレノボは述べている。統合型グラフィックスコアでは性能が足りないが、バッテリー駆動時間も重要だというユーザー、そして、(こちらも意外と多いと思われる)4画面をThinkPadで運用したいというユーザーにとって、注目すべき技術といえるだろう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月08日 更新
  1. 10月に登場する「RTX Spark」搭載PCで見た“不可解な”設定値 次期Windowsで変わるGPUメモリの仕組み (2026年09月07日)
  2. 再来する“グラボ複数挿し”需要! 220mm径の巨大ファン搭載ケースやFractal新モデルがアキバで話題に (2026年09月07日)
  3. 値上がり後のアキバで見つける「据え置き価格」のグラフィックスカード――16GB搭載モデルは今週末が狙い目 (2026年09月05日)
  4. 「RTX Spark」搭載のWindows PCは10月に登場 LAN内のPCを束ねてローカルAI処理を分散・高速化する「NVIDIA PAIR」β版も公開 (2026年09月07日)
  5. バッテリーを外せば約639g! 最新CPU「Intel Arc G3 Extreme」搭載の8型ゲーミングPC「OneXFly APEX Air」に触ってきた (2026年09月07日)
  6. NVIDIAの「DLSS 5」がついにデビュー 対応第1弾は「NBA 2K27」 (2026年09月04日)
  7. NVIDIAがAIモデル共有サイト「Hugging Face」を約2兆137億円で買収/GoogleがAIモデル「Gemini 3.8 Flash」を発表 (2026年09月06日)
  8. ローカルLLMをNPU単体で動かせる「Lemonade Server」をRyzen AI 9 HX 470搭載の「Minisforum AI X1 Pro-470」で試してみた (2026年09月04日)
  9. エレコム、デュアルバンド接続に対応したコンパクト設計のWi-Fi 7無線LANルーター (2026年09月07日)
  10. ノートPCのバッテリー持ちを劇的に変えた新世代SoC──Intel、Qualcomm、AMDの最新動向を探る (2026年09月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー