NVIDIA、CUDAコアを512基搭載した「GeForce GTX 580」

» 2010年11月10日 07時00分 公開
[ITmedia]

内部設計の変更で向上した電力効率

 NVIDIAは、コンシューマーデスクトップPC向けGPUの新モデル「GeForce GTX 580」を発表した。開発コード名は「GF110」とされ、内蔵するCUDAコアが512基に強化されたのが特徴だ。NVIDIAによると、GPU内部の構成は「GF100」と呼ばれていたGeForce GTX 480とほぼ共通するが、各ブロックの内部設計が更新されたおかげで、電力効率が改善されたという。

 GeForce GTX 580のリファレンスデザインにおけるスペックは、コアクロックが772MHz、シェーダクロックが1544MHz。グラフィックスメモリはGDDR5を1.5Gバイト搭載してメモリバス幅は384ビット、転送レートは4Gbps相当となる。最大消費電力は244ワットとGeForce GTX 480からわずかに低くなったが、外部補助電源用としてGeForce GTX 480と同じく8ピンと6ピンのコネクタを備える。

GeForce GTX 580を搭載するリファレンスデザインのグラフィックスカード(写真=左)。ブロックダイヤグラム自体はGeForce GTX 480世代とほぼ同じであるとNVIDIAも説明している(写真=右)

 Geforce GTX 580では、消費電力あたりのパフォーマンスの改善を訴求するほか、リファレンスデザインのグラフィックスカードに搭載されたクーラーユニットの静音性能も、ハイエンドクラスのGPUを搭載したモデルでは最も静かであるとしている。

 これは、クーラーユニットに取り入れた「Vapor Chamber」構造やファンコントロールの見直しなどが貢献しているが、Vapor Chanberでは、ヒートシンクと一体化したシート状のブロック内部に液体を注入し、ヒートパイプのように液体が気化するときにGPUから発生した熱を奪ってヒートシンクに誘導し、ヒートシンクで冷却されて液化してブロック内部を循環するプロセスを繰り返す。

GeForce GTX 580のリファレンスデザインで採用されたクーラーユニットでは「Varpor Chamber」構造が取り入れられた(写真=左)。リファレンスデザインのグラフィックスカードに搭載したクーラーユニットの発生音を比較すると歴代のハイエンドGPUのなかで最も静かであった(写真=右)

 以上のような内部設計の見直しによる電力効率の改善と冷却効果の向上で、GeForce GTX 580を搭載するリファレンスデザインのグラフィックスカードでは、アーキテクチャの改善でGeForce GTX 480の数%から10%向上した上で、より速いクロック設定によって総合的に最大30%の向上が確認されたとしている。

 なお、GeForce GTX 580の性能検証については、こちらのレビュー記事を参照にしていただきたい。

ゲームタイトルで測定したベンチマークテストの結果をRadeon HD 5870を1とした相対結果で比較する(写真=左)。アーキテクチャの改善で10%の性能向上を果たした上で、高クロック設定などによって総合的に30%に近い改善が認められたという(写真=右)

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