ASUSのGeForce GTX 580搭載OC版「ENGTX580/2DI/1536MD5」の実力とSLI性能を試すイマドキのイタモノ(2/2 ページ)

» 2010年11月30日 16時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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DirectX 11で効果が明確になるSLI構成

BIOHAZARD 5(DirectX 9)
BIOHAZARD 5(DirectX 10)

Unigine Heaven 2.1(DirectX 11)
Tom Clancy's H.A.W.X.2

消費電力

 DirectX 9とDirectX 10に対応するゲームタイトルのBIOHAZARD 5におけるベンチマークテストの結果は、どちらも解像度1600×1200ドット条件までは150fpsに張り付いてGPUとは別のところにボトルネックがある状況を示している。解像度2560×1440ドット条件で比較すると、リファレンスデザインのGeForce GTX 580とENGTX580/2DI/1536MD5の差が1fps程度、SLI構成におけるGeForce GTX 480とGeForce GTX 580の差も1fps程度と比較する両者にほとんど差がない結果となった。これは、GPU負荷がもっと高いゲームタイトル、または、より高画質な設定、高解像度を用いなければGeForce GTX 580の真の性能を計測できないことを示しているといえる。

 DirectX 11に対応するゲームタイトルとしては「Unigine Heaven 2.1」と「H.A.W.X.2」でベンチマークテストを計測した。Unigine Heaven 2.1はテッセレーションをExtremeに設定しているためGPU負荷が高い。そのためか、SLIを構築したGeForce GTX 480とGeForce GTX 580とでは明確な差がある。その違いは、各解像度で10fps程度だ。2560×1440ドット条件で測定した単体構成のGeForce GTX 480とGeForce GTX 580との差が6fps弱であるので、SLI構成ではその2倍に近い差が確認できたことになる。また、かなり高負荷なテストであるためこれまで60fpsを超えることがなかったが、GeForece GTX 580のSLI構成がこの壁を突破した。

 H.A.E.X.2はテッセレーションの負荷が高いとされているゲームタイトルだが、市販のゲームタイトルであるためフレームレートは高い。1280×1024ドット程度の低解像度条件ではGPU以外にボトルネックが生じているためスコアは頭打ちで、1920×1200ドット以上の高解像度条件で、リファレンスデザイン設定のGeForce GTX 580とENGTX580/2DI/1536MD5の差が3fps程度、SLI構成でのGeForce GTX 480とGeForce GTX 580との差は最大8fps程度だった。

 単体構成ではGeForce GTX 480よりも低消費電力という傾向が確認されたGeForce GTX 580だが、SLI構成ではピーク値でGeForce GTX 480のSLI構成よりも高いという結果となってしまった。先ほど説明したように、今回検証に用いたシステム環境では、グラフィックスカードを差したスロットの間隔がほどんどないため、発熱の影響を受けやすく、それゆえ冷却に関わる消費電力が増加した可能性もあるだろう。

 GeForce GTX 580のSLI構成で測定された消費電力の実測値は680ワットで、Core i7-980XのようなTDP130ワット級CPUと組み合わせるような場合は最低でも800ワット、CPU負荷もかかる実際の運用では1000ワット超級の電源ユニットを使うのが望ましいと思われる。

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 GeForce GTX 580が単体構成でも高いパフォーマンスを示すGPUであるだけに、DirectX 9とDirectX 10対応で負荷の軽いゲームタイトルではSLIの効果が薄いことが今回の検証で分かった。GeForce GTX 580でSLIを組むなら、GPU負荷の高い最新タイトル、DirectX 11対応タイトルなどを高画質、高解像度で快適に動かしたいというユーザーが適している。

 一方、GeForce GTX 580の発表当初にリファレンスデザイン準拠の製品がほとんどであったなか、ASUSからオーバークロック版が登場したが、ENGTX580/2DI/1536MD5の実売価格は5万5000円前後で流通を開始したようで、ほかの製品と比べてもそれほど高価というほどでもない。ただ、オーバークロックモデルとはいえ、その違いはコアクロックの10MHz程度で、ベンチマークテストにおけるスコアではそれほど大きな差は確認されていない。ただ、ASUSの独自機能、特にVoltage TweakによってGPU電圧を含めたOCに挑めるのは、ユーザー、特にオーバークロックを重視するユーザーがこのモデルを選ぶ十分な理由となるだろう。

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