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» 2010年12月31日 17時00分 公開

さよならT・ZONE――“電気街アキバ”に希望はあるのか2010年アキバまとめ(ショップ編)(3/4 ページ)

[古田雄介,ITmedia]

新しいアキバの玄関口は、既存の層と女性層、外国人観光客に注目

電気街口の北側からスグにある「GUNDAM Cafe」

 新店舗が盛んに整備されたのはJR秋葉原駅電気街口の北側だ。4月24日には、JR山手線と東北線の高架下に『機動戦士ガンダム』シリーズを題材にした「GUNDAM Cafe」がオープン。初日以降も週末は行列ができる人気ぶりで、街の新たな名物として定着している。

 電気街口の駅ビルも2006年末からの工事が終了し、11月19日から新しい駅ビル内施設「アトレ秋葉原1」が営業を始めている。2005年から旧駅ビル「アキハバラデパート」を運営していたアトレ(旧名・東京圏駅ビル開発)が、再開発中の街の変化にあわせたショッピングセンターを作るべく、50年以上経って老朽化したビルの改修計画を始動。男女誰でも気軽に立ち寄れる施設をコンセプトに、装飾やテナントが決定された。

 秋葉原駅周辺の再開発では、2005年のアキバエクスプレス開通だけでなく、昭和通り口の「AKIBA TOLIM」(2008年4月オープン)といった女性層の取り込みを意識した施設が複数誕生し、街を歩く層に大きな変化をもたらしてきた。

 アトレ秋葉原1も女性向けのテナントが多いが、同社の鈴木秀治氏は「アトレは都内を中心におよそ30駅に駅ビルを作っていますが、そのなかでも秋葉原1は2階のメンズ雑貨店に代表されるように、男性向けのテナントが多いという特徴があります。街のニーズを踏まえて、テナントや施設を考えているので、女性にも男性にも利用していただきたいと考えています」と語る。男性を中心にした従来からのアキバ層と、女性を含む新たな層を取り込むという、「排他」ではなく「追加」の思想が基盤にあるのだ。

 それを踏まえて、同社は新規の層として外国人観光客の来店も強く意識していることに注目したい。各駅のアトレのなかで、秋葉原1だけは4カ国語での営業時間案内を流しているほか、中国内で普及しているクレジットカードの一種「銀聯(ぎんれん)カード」からの引き出しに対応したATMも用意している。同社の芹澤氏は「海外からの方にも便利に使ってもらえるように、ほかにも総合案内に銀聯カード対応を明記するなどの取り組みはしています」と説明する。

 アトレ秋葉原1は、年間約50億円の売り上げを目標にしている。オープンから1カ月経った時点では「正直、もう少しがんばらないといけないなと思います」(鈴木氏)とのことで、ほかの客層とともに外国人観光客の取り込みに期待する部分は大きい。元旦の休み明け、1月2日から福袋「ハッピーパック」を販売するなど、施設全体での取り組みにも積極的だ。

電気街口の駅前広場から見たアトレ秋葉原1。高架のアーチをあしらった外観で伝統を継ぐ(写真=左)。3階の改札口直通通路を設ける付近に、銀聯カードに対応するATMを設置した(写真=中央)。アトレ秋葉原店 次長 鈴木秀治氏と、統括マネージャー 芹澤正明氏(写真=右)

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