外国人観光客の取り込みという点で見逃せないのは、11月19日にオープンした免税店「ソフマップ AKIBA DutyFree'S」だ。旧店舗「ソフマップ秋葉原パソコン総合館」の1〜4階をリニューアルして、デジタル機器や調理家電などの免税アイテムを扱うフロアに改良した。加えて、1階には秋葉原観光推進協会の協力を得た外国人向けのインフォメーションセンター「秋葉原観光情報センター」を12月9日から開くなど、意欲的な店舗となっている。
ソフマップ秋葉原本館にも免税コーナーがあるが、ソフマップとして複数フロアの大規模免税店を構えたのは初めて。同社の代表取締役 平岡正行氏は「秋葉原に来られる外国人の方が増えてきているといわれていますが、実際、従来の我々の免税コーナーだけでは十分な品ぞろえや接客などのサービスが提供しきれなくなってきたのかなと思っていまして。それらをしっかり提供できる形で始めました」という。計画のスタートから開店までは約3カ月かかった。
大型免税店の開店とともに、平岡氏は秋葉原にあるソフマップ各店の再編も視野に入れている。まだ時期や具体的な変更は未定だが、「基本的には中央通りに集約していくというのが全体の方向性になります。そのうえで、『このお店に行ったらすべてそろいますよ』という提案ができるような店舗構成にしてい考えです。現在は、PCの何かがほしいという場合に、PC関連を3店舗で扱っているといったことがあります。それを1つに集約して『PCならここ』とはっきり提示できるような環境が理想です。現在の再編はそういうコンセプトで行っていますね」とのことだ。
なお、再編にともない、いくつかの中央通り外の店舗が閉店する可能性があるが、新たに扱うジャンルが増えるパターンもありうる。現時点ではスマートフォンや電子書籍リーダーに期待しているそうだ。
もしスマートフォン専門店ができたとしても、従来のメーカー製PCや家電、自作PCパーツ、アミューズメント系とも共存していくだろう。そうして、街の特色や個性を形作る柱を何本も置いて共存できるのがアキバの強み。今回の取材を通して、そう語る店舗スタッフは関係者は少なくなかった。
その後の街の動きも気になるが、近々では外国人観光客向けのサービスや店舗がにわかに充実している点が見逃せない。次回は街の全体に視点を広げつつ、国際観光都市化するアキバを眺めていく。
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