Windows PCのプレゼンテーションでは、Intelより正式発表となった“Sandy Bridge”こと第2世代のCore iシリーズや、AMDから発表された“Fusion”APUといった、最新CPUを搭載したPCが登場した。Sandy Bridgeを採用したヒューレット・パッカードのモバイルPCでは、Internet Explore 9で画像処理をおこない、従来は不可能だった約40fpsの高速演算がモバイルPCで可能になることを示した。
GPUやノースブリッジをワンチップに統合したAMDの“Fusion”APUを採用したモバイルPCでは、従来と比べて約2倍に相当する約9時間のバッテリー駆動が実現するとアピール。さらに、Samsungと共同開発している“Surface PC”のデモも実施した。
基調講演の最後には、同日に発表があったARMアーキテクチャを含むSoCをサポートする次世代Windowsを紹介した。ARMベースシステムのパートナーとしては、NVIDIA、Qualcomm、Texas Instrumentsが発表されており、基調講演でも各社製品によるデモをおこなっている。ただ、ARMベースのシステムで動くWindowsのデモは会場を沸かせたものの、ユーザーインタフェースはWindows 7のままで、期待されていた次世代のWindows 8で追加されるインタフェースなどは一切言及しなかった。
Microsoftは、x86アーキテクチャで引き続きIntel、AMDと共同で、低消費電力SoCにおいて完全にWindowsをサポートするシステム設計を続けていくと述べているが、タブレットデバイスや超低消費電力端末で採用が進むARMベースのシステムにもWindowsを対応させることで、「すべてのデバイスにWindowsを」というMicrosoftの目標が実現することになる。しかし、以前のWindows CEやWindows Mobile、そして現役のWindows Phone 7とすでにARM対応のOSを投入しながらも苦戦を強いられてきた小型携帯端末向けOSの歴史がある。そのARM対応次世代OSでこれまでとどのような違いをユーザーに示すことができるのか。今後の動向から目が離せない。
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