旧正月の品薄対策どころではなかった2月のアキバ5分で分かった気になるアキバ事情(1/2 ページ)

» 2011年03月04日 10時49分 公開
[古田雄介,ITmedia]

P67/H67マザーの出荷停止――そして復活へ

フェイス秋葉原本店のマザーボードコーナー。2月1日に急きょPOPが張られていた

 2月1日、インテルからSandy Bridge対応の「Intel6シリーズチップセット」に設計上の不具合があると発表され、該当のP67/H67マザーすべてが販売見合わせとなり、その日のうちに店頭から姿を消した。不具合の内容は、チップセットが内蔵するSATAポートの2〜5番ポートにあり、長期間使っていると接続しているデバイスの品質が低下する可能性があるという。SATA 3.0に対応する0〜1番ポートは影響外だ。

 1月初旬から好調に売れていたプラットフォームだけに、各ショップのショックは大きく、ある店員さんは「主力の商品だけに、穴埋めは容易ではありません。というか、できないですよ・・・…」と肩を落としていた。すでに購入したユーザーからの問い合わせも各店のサポートセンターに多数寄せられたが、ショップとメーカー側もインテルの意向を確認したうえで対応策を確定しなければならず、業界全体で“待ち”の雰囲気が漂った。

 ただし、電気街では大きな混乱はなく、冷静に動向を見守る状況が続く。2月中旬、大きく穴の空いたマザーボード売り場には、各ショップが緊急で入荷したP55/H57/H55マザーが置かれ、AMD系やハイエンド向けのX58マザーのキャンペーンも目立っていた。

 ツートップ秋葉原本店は「P67/H67マザーはミドルレンジの位置づけなので、最新技術を使いたいという人以外は、『そこそこ使えるマシンを組みたい』というニーズが中心でした。そのため、旧世代でもある程度代替が効いています。実際、マシンが壊れてすぐに代わりのマザーが欲しいという方もいらっしゃいますし、Intel 5シリーズのニーズは確実にありました」と語っている。

 そうした中、インテルはX58向けの最上位CPU「Core i7-990X Extreme Edition」を投入し、1月時点で予定されていたSandy Bridgeのエントリークラス「Core i3」シリーズも2月20日に発売。Core i3は様子見が多勢だったが、6コアで3.46GHz動作のCore i7-990X Extreme Editionは9万5000円弱で出回り、同時に価格改定されたほかのラインアップとともにまずまずの人気を博した様子だ。

 ドスパラ秋葉原本店は「旧来の上位モデルi7-980Xが8万円台前半に下がり、i7-970は5万円前後、i7-960は2万5000円強まで下がりました。i7-960ならSandy Bridge最強のCore i7-2600Kと同等の価格なので、これを機にX58マザーに乗り換える人もいたと思います」と話していた。

 主力の穴を埋める苦しい戦略が続いた1カ月だったが、3月に入ってまもなく1月の水準に戻る見込みもある。2月後半からPCメーカーが修正済みのP67/H67型マシンの出荷時期を発表するようになり、月末にはマスタードシードがASRock製の新H67マザー「H67DE3」を3月4日から発売すると正式にリリースを出した。また、2月26日に開催されたWindows 7 Mania事務局主催のユーザーイベント「自作の祭典2011」では、インテルの天野氏が登壇して、「3月中、4月までにはサポート、製品の供給ともに潤沢になっていると思います」と明言している。これからの復活に期待したい。

2月初旬に撮影したツートップ秋葉原本店のマザーボードコーナー。急きょ取り寄せたH55マザーが好調に売れていた(写真=左)。Sandy BridgeタイプのCore i3で一番人気となっている「Core i3-2100T」。TDOが35ワットと低い。価格は1万2000円前後だ(写真=中央)。インテルのコンシューマ向けCPUで現行最上位となる「Core i7-990X Extreme Edition」(写真=右)

AMDはFusionマザーがヒット!――Phenom IIの価格改定も

2月中旬に撮影したソフマップ秋葉原本館のPhenom II売り場

 予想外の混乱が起きた2月だが、AMDは2月10日に上位CPUの「Phenom II X6/X4」を価格改定し、コストパフォーマンスに磨きをかけた。対象モデルはPhenom II X6 1100T BE/1090T BE/1075T/1065Tと、X4 970 BE/965 BE/955で、それぞれ1000〜2000円程度の値下げだったが、一定の効果があった模様

 ソフマップ秋葉原本館は「とくにPhenom II X6 1090T Black Editionが売れていますね。今回の価格改定で2万円を切ったので、旧最上位が安く買えるということでCPUの載せ替えや、AMDプラットフォームへの以降を多少は後押ししていると思いますよ」と語った。

 ただし、それ以上に大きな反響があったのは、エントリー向けだ。CPUとGPUを統合した「Fusion APU」を搭載するマザーボードが2月初旬から出回るようになり、中旬には「出せば数日で売り切れる勢い」(ドスパラ秋葉原本店)になったという。

 Fusionマザー第1号は、ASUSTeKのmicro ATXタイプ「E35M1-M PRO」で、チップセットネイティブのSATA 3.0などがじわじわと人気を集めた。価格は1万6000円弱で、3月初旬には入手困難な状況となっている。さらに、月後半にはmini-ITXタイプのギガバイト「GA-E350N-USB3」やASRock「E350M1/USB3」、Sapphire「PURE FUSION MINI E350」が登場し、軒並みヒットを飛ばした。価格は順に1万5000円弱、1万3000円弱、1万8000円弱だ。

 人気の理由について、クレバリー1号店は「やはりSATA3.0が帯域を気にせず使えるという点が大きいですね。加えて消費電力が低くてAVやマルチメディアもそこそこ楽しめるという仕様で、AtomやIONマザーから買い換える人もいます。いま小型マシンや機能を絞ったマシンを組むなら、一番オススメなのは確かです」と話していた。

ASUSTeK「E35M1-M PRO」(写真=左)。ギガバイト「GA-E350N-USB3」(写真=中央)。ASRock「E350M1/USB3」(写真=右)

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