2つの“予想外”から復活を目指した3月のアキバ5分で分かった気になるアキバ事情(2/2 ページ)

» 2011年04月01日 11時04分 公開
[古田雄介(ぜせ),ITmedia]
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ASUSTeKマザーがSandy Bridge需要再復活の呼び水に!

3月後半にはmini-ITXマザーも復活。写真はFOXCONNの「H67S-B3」。価格は8500円前後

 3月初頭のASRockとBIOSTARに続き、震災前後も各社のP67/H67、H61マザーが入荷が続いた。各社の再出荷モデルは、販売見合わせの原因となったSATA周りの不具合を解消した「B3ステッピング」のモジュールを搭載しており、型番に「B3」や「Ver.2」などがつくものも多い。

 3月第2週にはMSIとギガバイト製マザーが復活し、その後もFOXCONNやJetway、ZOTACなどの小型モデルも出回るようになったが、震災の影響もあり、「思ったよりは売れていないですね。まだマシンを新調するという気分になれないのかもしれません」(TSUKUMO eX./3月中旬)といった声も聞かれた。そうした傾向を覆したのが、3月末に登場したASUSTeK製マザーだ。

 クレバリー1号店は「メジャーメーカーの中でも、ASUSTeKを待っていたという人は予想以上に多かったです。ASUSTeK製品が店頭に並んでから、一気にニーズが増えた印象です」と語る。特に売れているのは、P67マザーの「P8P67 DELUXE Rev3.0」と「P8P67 EVO Rev3.0」で、価格は順に2万7000円前後と2万4000円前後。両モデルとも、初回入荷を売り切るショップが多かった。

 ドスパラ パーツ館は「3月末ということもあり、しばらく待っていたけど新年度までにマシンを新調したいという方が大勢いらっしゃいますね。そこにASUSTeKが間に合ったのは大きいでしょう。最上位の『Maximus IV Extreme Rev3.0』もそろっていますし、Core i7-2600Kでハイスペックマシンを組みたいという方も多いです」とうれしそうに話していた。

3月第2週に復活したMSI「P67A-GD65 V2」と「P67A-GD55 V2」(写真=左)。ギガバイト製マザーの一部は震災の影響で出荷が遅れたものの、3月末時点ではハイエンドモデル以外は出回っている(写真=中央)。クレバリー1号店に並んだASUSTeK製P67/H67マザー(写真=右)

デュアルGPU対決も実現!――Radeon HD 6990カードとGeForce GTX 590カードがデビュー

 グラフィックスカードも大物の新製品が登場している。震災直前に登場したのは、AMDの最上位となる「Radeon HD 6990」搭載カードだ。第一弾はSapphireの「HD6990 4G GDDR5 PCI-E DVI-I」で、価格は7万8000円前後から8万5000円前後。

 Radeon HD 6990は「HD 6970より若干低め」(フェイス秋葉原本店)のGPUを2個セットで使う仕様となっており、標準カードは8ピンの補助電源2基を搭載している。ピーク時の電力は375ワットと高い。HD6990 4G GDDR5 PCI-E DVI-Iは、GDDR5メモリを4Gバイト積み、カード長は30センチ強で、外部出力には4基のMini DisplayPortと1基のDVI-Iを備えている。

 TSUKUMO eX.は「CrossFireブリッジ近くにオーバークロック用のスイッチが封印されています。これを開放すると保証外になりますが、最大450ワット出力でかなりハイスペックになりますよ。なかなか導入できる環境を整えるのが大変ですが、価格ぶんの価値はあるかなと思います」と語る。ただし、売れ行きは今ひとつの様子だった。某ショップは「まもなくGeForce GTX 590も登場するようですし、様子見している方が多いと思います」と話していた。

Sapphire「HD6990 4G GDDR5 PCI-E DVI-I」

 その「GeForce GTX 590」カードは3月末に登場した。ZOTACの「ZT-50501-10P」とPalitの「NE5X590012F7」がそれぞれ9万5000円前後と9万3800円でデビュー。在庫は少数ながら、多くのショップが目立つ場所に並べていた。

 GeForce GTX 590もRadeon HD 6990と同じデュアルGPU構成のモデルで、「GTX 580より気持ち低め」(クレバリー1号店)のGPUで2Way-SLIを構築している。標準カードは28センチの長さで、GDDR5メモリを3Gバイト搭載。補助電源は8ピン2基で、ピーク時の消費電力は365ワットだ。外部出力は1基のminiDPと3基のDVI-Iを用意しており、1枚で3D Vision Surroundが構築できるといった利点もある。

 両グラフィックスカードの売れ行きについて、パソコンショップ・アークは「どちらかといえばGTX 590が優位という印象ですね。どちらもそこまでヒットしているという感じではないですが、GTX 590は1枚でトリプルディスプレイが構築できるというキャッチーな特徴がありますし、パフォーマンスでも評価が高いようですから」と話していた。

 また、落ち着き気味の需要について、某ショップは「震災後に節電が推奨されているので、あまり消費電力の高いパーツは敬遠される動きがあると思います。加えて、どちらのブランドもまもなく次世代モデルが登場するというウワサが出てきているので、様子見している人も多いでしょうね。モノ自体はいいだけに複雑な心境です」と漏らしていた。

ZOTAC「ZT-50501-10P」

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