全部込みで10万円――春から始めるPC自作ライフ!(AMD編)ショップのダメ出し!(1/3 ページ)

» 2011年03月07日 07時40分 公開
[吉川慧(ぜせ),ITmedia]

アキバで学ぶ自作の心得!

「やぁ、きたね」と笑顔で迎えてくれたツートップ秋葉原本店の樋熊氏

 PCといえばもはや生活必需品の1つ。この季節、新たにPCを買おうとしている人も多いだろう。しかし、いざ自分にあったPCを選ぶとなると「○○の機能はついているけど、××がない……」、逆に「多機能で何でもできるけど、価格が……」といったどこかモヤモヤした気分になることもしばしば。誰しも1度は、自分専用のPCを作れないかなと思うはずだ。

 ただ、やはり自作PCというとハードルが高いイメージがついてまわる。かくいう筆者もこの業界に入門してからまだ3カ月しか経っていない。ちょうどこれから自分専用のマシンを組もうと考えていたところだった。しかし、現状では自分にあったPCを作るための必要な知識や経験がまるで足りていない。ならば、その道のベテランに聞くのが一番だろう……ということで、アキバ連載でおなじみの古田氏が以前執筆していた「ショップのダメ出し!」をジャックさせてもらった。この企画を通して自作PC道を極めていこうと思う。

将来の拡張も視野に入れたハイエンドPCを10万円で

 まず、最初のテーマは「10万円で未完のハイエンドPCを組みたい」だ。イチから始めることが前提なので、OSはもちろん、音声出力やディスプレイ、キーボード及びマウスも全体の構成に含め、単純に組み立てただけでPCとしての機能は一通り使えるようにする。そのうえで、今後パーツを追加、換装していくことによって、高性能なPCを目指せる拡張性の高いベースマシンを想定した。まずは今回の構成を以下の表にまとめたので見てもらいたい。

パーツ 製品名 メーカー 単価
CPU PhenomII X6 1065T AMD 1万7570円
マザーボード M4A89TD PRO/USB3 ASUSTeK 2万980円
メモリ W3U1333Q-4G CFD販売 6480円
HDD/SSD 下記OSバンドル品 0円
光学ドライブ DVSM-24AS/V-BK バッファロー 2680円
グラフィックスカード RH5450-LE512HD/D3/HS/G2 玄人志向 3880円
PCケース SST-PS05B シルバーストーン 7479円
電源 Bull-MAX KT-620RS 恵安 3490円
OS Windows 7 Home Premium 64bit DSP版 マイクロソフト 1万9980円
液晶ディスプレイ G235Hbmd エイサー 1万5870円
キーボード SCY-2IN1-BK /USB Pure Keyboard サイズ 1220円
今回のテーマ「10万円で未完のハイエンドPCを組みたい」。価格は2月中旬の「ツートップ Internet Shop」を参考にしている。価格は計9万9629円。

 入門用ということで予算は10万円。ただし、未完とはいえ将来のポテンシャルを垣間見たいので、6コアCPUが2万円以下で手に入るAMDベースで構成した。また、マザーは拡張性とチップセットを考慮して890FX搭載製品を選んでいる。

 今回ダメ出しをもらいにいったのはツートップ秋葉原本店。充実したパーツの品ぞろえだけでなく、ちょっと変わったマウスパッドや、PC関連の小物までそろう老舗のパーツショップだ。

 上記の構成表を同店に持ち込み、スタッフの樋熊氏に主旨を説明すると、構成表を見た樋熊氏は「未完の高性能PC……難しいですね。高性能PCといっても何をしたいかによって変わってきますし、まだ『何がしたい』というのが明確に決まっていないこれから始める人は、一部にハイスペックなパーツを組み込むよりも、今の平均的なPCの性能を知ってからのほうが、逆に拡張の方向なども見えてくると思いますよ。あとはやっぱり、入門者は性能だけではなく、動作時の安定性も重視する必要があるでしょう」とアドバイスしてくれた。

ケースはメンテナンス性。電源は品質を重視するべき――入門者は安定性を重視!

 入門向けということで、樋熊氏より強く変更をすすめられたのはPCケースと電源だった。まず、ケースは構成表の「SST-PS05B」よりも少し安い、バリューウェーブの「KUROKO」になった。PCケースについて樋熊氏は「まだ慣れてない人はケース内部の広さが重要です。見た目にケースが大きくても、内部の配置によっては各パーツへアクセスがしにくく、メンテナンス性が悪い場合があるので、できることならケース内部を見てから購入したほうがいいですね」とコメント。

バリューウェーブ「KUROKO」(写真=左)。KUROKOのケース内部。拡張のしやすさと空調のよさを重視。背面パネルのスペースも十分にあり、電源などの配線もしやすい。ファンの増設も必要に応じてできる(写真=右)

 「あとはやはりマシンの安定性が重要です。それにはケース内部の空調を考える必要があるのですが、このケースは底部にファンがついているので、電源の排熱を独立して行えます。さらにここにファンがついていることによって、電源だけではなく熱のたまりやすいグラフィックスカード部分の排熱もスムーズになるんですよ。さらにHDD格納部分にもファンがついているので、マシンを動かしたときの安定性を考えるとこの価格帯で買えるケースの中では一押しです」と理由を説明してくれた。

マイルストーン「HEC-550TE-2WX」。ファンも静かで人気がある。80PLUS BRONZE認証を獲得し、メーカー保証も3年間と長い

 電源は「Bll-MAX KT-620RS」よりも容量が70ワット低く、価格は倍近いマイルストーンの「HEC-550TE-2WX」へチェンジ。この変更について「電源を選ぶ際は容量も大切ですが、それ以上に品質ありきで考えるべきですね。電源の不具合というのは初心者に分かりにくいところで発生しやすいので。価格としては大体7000円以上、80PLUS認証取得などを基準にするといいかもしれません。メーカーが“○年保証”とうたっているものを選択するのもいいでしょう。この電源の場合は3年保証となっていますが、これは逆に『3年持つクオリティの電源です』といっているようなものなので、安心感もあります」と電源選びのコツを話してくれた。

「マザーボードはチップセットよりも用途で選べ」――違いが分かるまでは上位モデルは不要!

ASUSTeK「M4A87TD-EVO」。ATX規格でSATA 3.0とUSB 3.0を備える。価格は半分になり、約1万円へ。しかし、拡張性も最低限確保されている

 マザーボードはASUSTeKの「M4A89TD PRO/USB3」から、約1万円安い同メーカーの「M4A87TD-EVO」に変更した。将来の拡張性などを考えて890FX搭載マザーを選んだのだが……。

 マザー選びのキモとして、樋熊氏は「メンテナンス性や扱いやすさの面でマザーボードの規格をATXにこだわるのはいいでしょう。ただし、AMDプラットフォームの場合、自作を始めたばかりのころは、890などの上位のチップセットにこだわる必要はあまりないと思います」と構成表に赤を入れる。

 「基本的にSATA 3.0とUSB 3.0といった新しいインタフェースを備えていれば、下位のモデルでも問題はないです。最近のチップセットは、上位のものと比べてデータをやりとりするFSBの速度が極端に遅くなるということもないので、パフォーマンスが目に見えて落ちるということはありません。もちろん、コアな人には違いが分かるのですが、価格と比較して恩恵を感じられるようになってから意識するのがいいですね」と説明。

 また、オンボードグラフィックスの有無ついては「今回のAMDの場合、ナンバー末尾がGXだとオンボードグラフィックスがついていますが、FXの場合はついていません。ATX以上の規格でメインマシンへの組み込みを考えるならば、FXを選択し、グラフィックスカードは別個で付けることを前提に考えてもいいでしょう。ただ、MicroATXといった小さい規格で最初に作る場合は、オンボードグラフィックスがあるといいかもしれません。もし、将来さらに拡張性が必要になり、マザーボードを換装することになっても、外したあとに単体でセカンドマシンやサーバ用のマザーとして使うといった2次利用がしやすいので、それを考慮するならGXという選択もアリだと思いますよ」と、さまざまなパターンを想定してアドバイスしてくれた。

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