「大事なのは見た目より機能!」というインドのデジタル&家電事情:山谷剛史のアジアン・アイティー(1/2 ページ)

» 2011年06月20日 16時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

名より実を取るインドのデジタルガジェット

 インド(東部&北部)では、いま国内旅行が盛んで、ガンジス川で知られるバラナシをはじめとする、国際的にも知れられた名所はインド人の観光客であふれていた。そういった、混雑する観光名所では、高台に見晴らしのいい休憩所が設けられているが、高額な利用料を請求されるため、インドの富裕層たちが集まり、“下界”で行われる祭りとそれを見物してもみくちゃにされる一般の観光客を楽しんでいる。だが、その富裕層にしても一般の観光客にしても、インド人の多くが写真を撮影するのに使うのは携帯電話だ。富裕層のインド人であっても、デジタル一眼レフを持っているのはごくごくわずかしかいない。

 インドでもデジタル一眼レフカメラを扱う店は少ないながらも存在する。ただ、カルフールやウォルマートなどの大規模量販店でも取り扱っている中国とは異なり、インドでハイエンドクラスのデジタルカメラを扱うのは専門店に限られる、コンパクトデジカメまで含めれば、地方都市にも専門店が複数確認している。入手性という視点でいえば、購入そのものは容易だ。

デジタル一眼レフカメラを使う人をインドで見ることは少ない。せいぜい、コンパクトデジカメにとどまる。所得格差が激しいこの国の富裕層であっても、一眼レフには興味をもたないのだろうか(写真=左)。インドでは多くの人が携帯電話で撮影する(写真=右)

 広大な国土を持つインドでは、インターネット上のオンラインショップを利用するユーザーも多い。インドの調査会社「IAMAI」によれば、大都市部で1750万人のアクティブなインターネットユーザーがいて、そのうち、オンラインショップを利用するのが740万人、このほかに、価格情報だけをチェックするユーザーも613万人いる。インドで利用できるオンラインショップの品ぞろえは充実していて、店頭では見ることが少ないデジタル一眼レフカメラやスマートフォンも購入できる。

 インド滞在中に、スマートフォンユーザーはデジカメユーザー以上に見かけた。iPhoneやiPad、それにGalaxy SにGalaxy Tabと、最近の人気モデルはインドでもユーザーが多い。しかし、圧倒的多数のインド人が使っていたのは、iOSでもAndroidでもなく、Blackberryだった。Blackberryユーザーは、運賃が安くて庶民の足として使われている市電「トラム」の車内でも、バスの車内でもよく見かける。

 使うデジタルガジェットを選ぶとき、“見栄え”という要素を重視する中国と異なり、インドでは実用主義で購入するモデルを選んでいるように見える。インドではBlackberryも「ステータスシンボル」として選ばれる機器ではあるが、見栄えを気にしてiPhoneを購入したものの、使うのがゲームだけという中国人とは違い、インド人は、コミュニケーションツールやビジネスツールとして、その機能を十分に引き出している場合が多い。そんな、Blackberryユーザーの多くが利用しているのは、FacebookにGmail、ニュース、そして、金融情報のチェックだ。

 その一方で、中国でもユーザーがほとんどいなくなってきた、テキストメッセージだけを利用できるモノクロ画面の携帯電話がインドでは広く使われている。低所得層だけでなく中間層のサラリーマンも利用しており、オフィス街ではシンプルな携帯電話とタブレットPCを同時に使いこなして商談する実用主義なインド人をよくみかけた。統計によればインドの携帯電話契約数は7億5219万件と、多くのインド人にとって携帯電話は身近な存在だ。

iPhoneよりもAndroidスマートフォンよりも、インドで使われているのがBlackberryだ(写真=左)。メールと通話だけの携帯電話も広く使われていて、商談では最新のタブレットと携帯電話の新旧ガジェットが活躍する(写真=右)

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