「計画停電」と「無能政治」に悠然と立ち向かうネパールのIT事情:山谷剛史の「アジアン・アイティー」(3/3 ページ)

» 2011年06月30日 19時01分 公開
[山谷剛史,ITmedia]
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停電なんか日常だもの

 ネパールに観光にいくと、まず直面するのが停電だ。ネパールで観光は主要な産業であるが、外国人旅行者が集中する首都カトマンズのタメル地区であろうが、観光地として人気のある都市のポカラだろうが、例外なく停電が発生する。しかも、何時から何時までと予定が決まっている、いわゆる「計画停電」だ。観光立国だから海外から来た旅行者を優先して、それ専用のホテルやレストランは計画から除外するかと思いきや、すべてが等しく暗闇に閉ざされる。

 停電は昼も夜も実施される。学校で昼間に停電が発生すれば、出稼ぎで働くことを前提とした学校で重要な科目となるPC関連の授業がまったく行えなくなる。ネパールで訪れた私立学校では、コンピュータ教室が用意されていて、そこには西欧諸国寄付で地元のPCショップから購入したショップブランドPCが設置されていた。ただ、PC台数は十分ではなく、授業では1台を2〜3人の学生で共有する。また、インターネットとはまだ接続しておらず、WindowsやMicrosoft Officeの使いかたを“インドの教科書”で教えている。

 情報処理担当の教師に計画停電のときはどうするのか聞いてみると、「授業中に気づいたら計画停電ということもよくある。そういうときは別の授業を代わりにやります」と答えていた。電気がなくてもできることをすればいいじゃない、というのが計画停電に対するネパール人の処世術だ。

小さな個人商店でもPOSとしてPCを利用している(写真=左)。比較的設備が整った私立学校のPC教室(写真=中央)。教科書はインド製だ(写真=右)

 そういえば、高級なレストランも停電だから営業をやめることはなく、ろうそくをともしていた。また、ネパールの都市部では、PCをPOS代わりとして利用する商店も多数見かけたが、停電になったらPOSを使わず、そして、ここでもろうそくで営業していた。「電気がなければないなりに通常営業」と、ネパールの人は計画停電を気にすることなく、きょうもまったりと生活している。

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