レビュー
» 2011年08月02日 11時15分 公開

“Sabine”のコストパフォーマンスは?:もはや“3万9900円のノートPC”でもここまで使える時代――「HP Pavilion g6-1100AU」に驚く (3/3)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

CPU性能はAMD E-350の1.5倍以上、GPU性能はIntel HD Graphics 3000と互角以上

 今回入手したg6-1100AUの構成は、AMD A4-3300M(1.9GHz/最大2.5GHz)、Radeon HD 6480G(CPU内蔵)、メモリ2Gバイト、HDD 320Gバイト(5400rpm)、64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)と、3万9900円の最小構成だ。この構成でベンチマークテストを実施した。ジャンルは異なるが、Fusion APU(AMD E-350)を搭載した製品として、以前にレビューした「HP Pavilion dm1-3000 Notebook PC」のスコアも併記している。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windows 7標準の性能評価指標であるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右の画面の通りだ。サブスコアとしては最低のメモリとグラフィックスでも4.5をマークしており、Windows 7の機能を一通り楽しめる基本性能を持っていることが分かる。プロセッサのスコアはAMD E-350(Pavilion dm1-3000)の3.8に対して5.3と、完全に格上の存在だ。

 PCMark05のCPUスコアでも、AMD E-350(dm1-3000)の2860に対し、A4-3300M(g6-1100AU)は4791と約1.5倍のスコアをマークした。インテルのCPUではなかなか似たようなスコアを探すのが難しいが、第1世代Core i3-380UM(1.33GHz)を搭載した低価格帯ノートPCの「VAIO Y(YA)」(VPCYA19FJ/B)が3613なので、この辺りよりは明らかにハイパフォーマンスといえる。ただし、第2世代iCore 3-2310M(2.1GHz)を備えた「VAIO S(SB)」(VPCSB18FJ/W)は6177となっており、さすがに第2世代Core i3とは差がある。

 PCMark Vantageの総合スコアでは、VAIO Y(YA)の3363に対し、g6-1100AUでは3856とはっきり上のスコアをマークしている。全体にストレージ性能の影響が大きなテストのため、SSDを搭載したdm1-3000に一部逆転を許している部分があるのは仕方がないところだろう。

 グラフィックス性能は、AMD E-350/Radeon HD 6310(dm1-3000)の1.5〜2倍程度。PCMark05や3DMark06のゲームスコア(SM2.0、HDR/3.0)などでは、第2世代のCore iシリーズが内蔵しているIntel HD Graphics 3000に近いスコアが出た。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、ストリートファイターIVベンチマークもやはりIntel HD Graphics 3000搭載機に近いが、こちらは逆に少し上のスコアが出ている。バイオハザード5ベンチマーク(DirectX10/ベンチマークテストB)も実行してみたが、20fpsと快適にプレイするには少し足りないレベルだった。

PCMark05 1.2.0のスコア(グラフ=左)、PCMark Vantage 1.0.2.0(1024×768)のスコア(グラフ=右)

3DMark06 1.1.0(1280×768)のスコア(グラフ=左)、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア(グラフ=右)

そのほかのゲーム系ベンチマークテスト結果
ゲームタイトル テスト設定 スコア
ストリートファイターIVベンチマーク 解像度:1280×720ドット、画面表示:フルスクリーン、アンチエイリアス:NONE、垂直同期:オフ、モデルの品質:高、背景の品質:高、ソフトシャドウの品質:低、セルフシャドウの品質:低、モーションブラーの品質:低、パーティクルの品質:中、エクストラタッチ:オフ 42.99fps(ランクC)
バイオハザード5ベンチマーク DirectX10版/ベンチマークテストB、解像度:1280×720ドット、画面表示:フルスクリーン、垂直同期:オフ、アンチエイリアス:オフ、モーションブラー:オフ、影品質:高、テクスチャ品質:高、画面クオリティ:高 20fps(ランクC)

常時接続でのバッテリー駆動時間は4時間弱、静音性や熱処理も優秀

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の組み合わせだ。無線LANでインターネットに常時接続し、WebブラウザはInternet Explorer 8(32ビット版)を利用している。Windows 7の電源プランは「HP推奨」に設定したが、ディスプレイ輝度がデフォルトで70%と高く設定されていたため、40%に下げて計測した。

 この条件でのバッテリー駆動時間は、残量9%で休止状態へ移行するまで3時間51分だった。公称値の6時間に比べると短いが、常時接続の環境で4時間近く持つならば、ホームモバイル用途でも十分実用的だ。

 静音性はかなり優秀な部類に入る。アイドル時でも動作していることが分かる程度の音はするが、負荷をかけてもあまり変動しない。発熱の処理も優秀で、高い負荷をかけた直後でも表面の手が触れる部分はすべて体温以下で不快になることがなかった。底面の最も温度が高い部分でも40度以下にとどまっていたことから、Fusion APUの発熱自体が低いと思われる。

暗騒音32デシベル/室温27度の環境で本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。PCMark05と3DMark06を連続して実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=右)

驚異的なコストパフォーマンスを誇るバリューノート

 g6-1100の価格は冒頭で述べた通り、最小構成で3万9900円からだ。今回試用したのもその最小構成だったが、各種ベンチマークテストの結果はご覧いただいた通り不満がなく、にわかには信じがたいコストパフォーマンスの高さだ。

 一般的な用途でWindows 7を使うのに十分なパフォーマンスに加えて、バッテリー駆動時間、静音性、放熱性なども優秀で、バリューノートPCとしては文句のない仕上がりだろう。

 初めてPCを買う人の入門機としてもおすすめできるし、Netbook(モバイル利用しない場合)からのステップアップとして購入しても快適さが実感できるに違いない。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう