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» 2011年12月18日 06時00分 公開

2011年末プリンタ徹底検証:エプソン「EP-804AR」は、まさに“迷ったらコレ”の完成度か? (5/5)

[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
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印刷/コピーの速度をチェックする

 次は印刷速度のテストだが、PC経由でのA4モノクロテキスト、A4カラーチャート&テキスト、L判写真のプリント、メモリカードからL判写真用紙へのダイレクトプリント、そしてコピーのそれぞれで所要時間を測定した。

 測定方法は、PCからのプリントでは用紙を引き込んだ時点で測定を開始し、用紙の排紙完了と同時に測定を終了している。ダイレクトプリントとコピーではデータの処理時間も性能に含まれるので、スタートボタンの押下と同時に測定を開始した。

印刷/コピー速度のテスト結果
設定 出力時間
A4モノクロ(PCから印刷) 普通紙1枚
レベル1 1秒8
レベル3(標準) 7秒8
A4カラー(PCから印刷) 普通紙5枚
レベル1 16秒3
レベル3(標準) 46秒4
L判(PCから印刷/フチなし) クリスピア1枚
レベル4(標準) 13秒7
レベル5(きれい) 55秒5
L判(メモリカードから直接印刷/フチなし) クリスピア1枚
標準 16秒8
きれい 1分0秒4
A4カラーコピー 普通紙1枚
標準 17秒3

 A4モノクロテキストではJEITAのプリンタテストパターン「J1.DOC」を用いて、最低画質と標準画質の2つのモードで印刷時間を測定した。最低画質モードは非常に速いが、印刷濃度が著しく低いのでテストプリント程度にしか向かないように思う。標準モードでも十分速いので、こちらを常用するのがベターだろう。

 A4カラーチャート&テキストではJEITAのプリンタテストパターン「J9.DOC」を使用し、最低画質と標準画質の2モードの印刷時間を測定した。5ページからなるデータなので、さすがに印刷時間に開きが出ているものの、やはり最低画質では判読に難がある。ことにカラーチャートなどは低濃度では誤読を招く恐れがあるので、標準モードの使用をおすすめしたい。レベル1との差は大きいが、46秒程度という結果はなかなかものもだ。

 L判写真印刷では写真用紙クリスピア<高光沢>に対して、最高品位のレベル5(きれい)と、これに次ぐ品位のレベル4(標準)で印刷を行っている。クリスピアにわざわざ低品位のモードを使う人は少ないかもしれないが、レベル4でもかなり高品位の出力が得られた。14秒弱でこの品質なら、配布用の写真を複数部用意するなどのシーンでも困らないだろう。ただし、濃度にいくばくかの差があるので、クリスピアの白色度を生かすならば素直にレベル5を用いるべきだ。その場合も1分弱と待たされる印象はない。

 L判写真のダイレクトプリントもPCからのプリント同様にレベル4とレベル5で測定を行った。PCからの印刷と比べて、ほぼ遜色(そんしょく)のない速度を得られているのは画像処理エンジン「REALOID」の効能だろう。画質についてはPCプリントと同様で、レベル5をおすすめしたい。

 A4カラーコピーではデフォルト設定のままで普通紙に対して印刷を行った。印刷に用いたサンプルは独自の画像データだ。結果は17秒程度とかなり高速で、品質も高いので満足できそうだ。

L判フチなし写真印刷のコストは1枚あたり約20.8円

 EP-804Aの公称ランニングコスト(インクと写真用紙のコスト)は、「写真用紙<光沢>」のL判使用時で約20.8円となっている。これは従来機のEP-803Aと同じ数値だが、エンジンにさしたる変更がないので当然だ。

 コストの算出に用いているメディアは400枚入りのパッケージ(1990円)なので、メディア1枚辺りの単価は5円弱となる。インク容量を減らしてカートリッジ単価を抑えたIC6CL51では約26.7円まで上昇する点は覚えておきたい。やはり、印刷頻度が高い人は通常のIC6CL50を用いるのが賢明だろう。

静音性は今後の課題か

プリンタドライバの「静音動作モード」は、印刷品質が標準設定で、普通紙を利用する場合のみ有効になる

 オールラウンドに高い実力を発揮するEP-804ARだが、唯一の弱点を挙げるならば、静粛性かもしれない。これはEP-804ARの弱点というよりは、ピエゾ式プリンタの弱点というべきか。

 昔のエプソンプリンタと比べれば驚くほど静かにはなったが、ボディがスタイリッシュに進化したにもかかわらず、動作時にガチャガチャと音が鳴るのはもったいない。エアコンなどの家電が動作するリビングで昼間に使うぶんには大して気にならないだろうが、夜間に使う場合などでは、騒音が気になるケースも出てくるだろう。設置場所によっては動作音が反響することも考えられるので、駆動音を気にする人は設置の際に一考すべきだ。

 この対策として、プリンタドライバには「静音動作モード」が用意されている。印刷品質が標準設定で、普通紙を利用する場合のみ有効になる限定的な機能だが、印刷速度と引き替えに動作音をかなり抑えられる。

 試しに、環境騒音31.5デシベル程度の室内で本体の30センチ手前に騒音計を設置し、A4普通紙カラー印刷中の動作音を測定したところ、標準設定では55〜60デシベル程度だったが、静音動作モードをオンにすると40〜45デシベル程度まで動作音が低減された(ただし、印刷準備や排紙完了時は大きな駆動音がする)。

まとめ――これは確かに“迷ったらコレ”の1台

 以上のようにEP-804ARは、設置性、画質、速度のいずれもが高水準でまとまっている。操作性に関しても、メニュー自体はやや煩雑ではあるが、そのほかの補助機能によって快適さは格段に向上した。モバイル/クラウド連携を含め、機能も豊富にそろえているので、大抵の用途に耐えるはずだ。ライバル機が搭載する両面印刷機能は標準装備ではないが、必要とあらば、3000円程度のオプションの追加で利用できる。

 これほど充実した構成ながら、実売価格は大手量販店でも2万5000円前後まで下がってきており、コストパフォーマンスは高い。設置場所や好みに応じて、3色から選べるのもポイントだ。今回紹介したレッドが部屋になじみそうにないと思ったら、ブラックやホワイトといった定番色を選べば問題ない。

 もし、家庭に置くプリンタ選びで迷ったならば、これを選んでおけば後悔することはないだろう。


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