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» 2012年04月17日 11時00分 公開

Windows 8 Consumer PreviewをVirtualBoxに導入する鈴木淳也の「お先に失礼! Windows 8(まだ仮称と思っていたら本日決定)」(3/3 ページ)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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仮想マシンのHDD空き容量を増やす

 W8DPをすでに導入した仮想マシンにおけるアップグレードインストールで発生する空き容量問題を解決するため、仮想マシンのHDD容量を増やさなければならない。VirtualBox仮想マシンのHDD容量を増やすことは可能だが、その手順が煩雑なのでここで説明しておこう。

 VirtualBoxの仮想マシンにおけるHDDは「.vdi」という形式のイメージファイルで管理している。これに少々手を加えることでHDD容量の増減が可能だ。ただしGUIベースのツールはないので、コマンドラインで直接変更を加えなければならない。手順はすでに紹介した「VirtualBoxのゲストOS解像度を1366×768ドットに設定する」方法と同様で、「VBoxManage.exe」というコマンドラインツールを利用する。

 VirtualBoxを実行しているホストOS上でコマンドプロンプトを起動し(ファイル名を指定して実行で「cmd」とタイプする)、「cd」コマンドを利用してVirtualBoxがインストールされているフォルダへ移動し(今回のケースでは「C:\Program Files\Oracle\VM」)、下記のコマンドを入力する。ダブルクォーテーションで囲まれた部分がHDDサイズを変更する仮想マシンのイメージファイル名で、「.vdi」ファイルまでのフルパス名を指定する必要がある。「resize」オプション以降のパラメータが変更後のHDDサイズで、単位は「メガバイト(MB)」となっている。今回は「48(Gバイト)×1024=49152」ということで、仮想マシンのHDD容量を32Gバイトから48Gバイトに拡張している。

VBoxManage modifyhd "D:\VM\Windows8cp-upgiso.vdi" --resize 49152



 ただし、このままではインストールに必要なHDDの空き容量は増えない。HDDそのものの空き容量は増えていても、OS自体がファイルシステムとして認識していないからだ。そこでVirtualBoxからW8DPを起動して、デスクトップからコントロールパネルを開き、「Disk Management」という管理ツールを起動する。先ほど追加した差分の16Gバイトがディスク0上に「割り当てされていないパーティション」として認識されている。このままCドライブとマージし、1つのパーティションとしてまとめてしまおう。その後、Cドライブのプロパティを確認すると31.2Gバイトまで空き容量が拡大していることが確認できる。

コマンドプロンプトで「VBoxManage」を実行して仮想マシンのHDD容量を増やす(写真=左)。仮想メディアマネージャで仮想マシンイメージ(.vdi)を比較する。下2つのファイルはすべて「Windows8.vdi」をコピーしたものだ。このうち、容量を増やした「Windows8cp-upgiso.vdi」だけが「48Gバイト」になっていることが確認できる(写真=右)

追加した仮想HDDの容量は管理ツールの「Disk Management」で実際に使える領域に組み込む。仮想マシンでW8DPを起動し、先ほどの追加容量をCドライブにマージする(写真=左、中央)。追加容量をマージした直後のHDDのプロパティ。W8CPのインストールに必要な20Gバイトの空き容量が確保できた(写真=右)

コラム「Update! Building Windows 8」

このコラムでは、「Building Windows 8 Blog」などで明らかになるWindows 8の最新動向を取り上げていく。今回は、最近になって注目されるようになった高解像度スクリーンサポートについてだ

DPIに合わせた3つのモード

 Windows開発チームトップのスティーブン・シノフスキー氏が、Building Windows 8 Blogの「Scaling to different screens」というエントリーの中で、Windows 8の高解像度サポートについて言及している。Windows 8における目標の1つは、PCだけでなく、タブレットデバイスから大画面ディスプレイまで、さまざまなサイズや用途のデバイスをカバーすることにある。これらはそれぞれに画面サイズやドット単位の解像度が異なっているので、Windows 8上で動作するアプリケーションは、すべてのサイズや解像度の違いを意識したプログラミングを行わなければならない。Windows 8で新たにサポートされたMetroスタイルアプリにおいては、最低動作解像度が1024×768ドット、さらに、Snap Viewを使う場合には1366×768ドットのワイド画面が必要と定義している(Windows 8を導入するタブレットデバイスは1366×768ドット以上のサポートが必須)。一方でこれ以上の解像度を持つディスプレイでは、表示領域の拡大に合わせて表示可能な要素(例えばスタート画面の「タイル」)の数が増え、一度に閲覧可能な情報量が増えるというメリットがある。

 しかし、解像度が増えてもスクリーンのサイズが変化しなかった場合、表示できる情報量は増えるものの、文字や図形が読み取りにくくなるほど小さくなり、タッチスクリーンにおけるタッチ可能領域が狭まることにもなる。解像度の向上が使い勝手の低下を招くのだ。これは密度(Density)の問題だ。一般には単位長あたりのドット数を「Dot per Inch:DPI」と呼ぶ。古いWindows OSではDPIに関わらず、文字やアイコンのサイズをほぼ固定長で処理してきたため(設定で文字やアイコンの大小の変更は可能になっているが)、この違いを吸収する仕組みを提供してこなかった。だが、シノフスキー氏によれば、Windows 8ではこの部分に手を入れ、「100%」「140%」「180%」という3段階でのDPIに最適化された動作モードを規定するようになった。

 具体的に11.6型ディスプレイの例で説明すると、Windows 8を導入するタブレットデバイスの最低要件である1366×768ドットでは135DPIで、1920×1080ドットになると190DPI、さらに上の2560×1440ドットが253DPIに相当する。1366×768ドットにおける135DPIを仮に100とすると、1920×1080ドットのDPI相対値は140、2560×1440ドットでは、同じく180となる。同じ面積の中により多くのドットが存在するので、DPIが高いほど文字や図形の描画がスムーズになる。

 文字のスムージング処理についてはOS側の処理なので問題ないものの、もしアプリケーション側がアイコンなどにビットマップ画像を用いる場合は、100%の等倍画像とは別に、さらに140%と180%のモード用画像も別途用意しなければいけない。そうでないと、ドットピッチに合わせて単純に引きのばした見づらい画像を表示するからだ。低解像度のままでもいいが、より高解像度で高密度なスクリーンがあれば、文字や画像をきれいに表示できる――これもWindows 8移行のメリットだろう。



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