エンタープライズ向けのVGXクラウドプラットフォームは、
で構成する。PCやシンクライアント、組み込みデバイス、タブレットデバイスなど、ネットワークに接続可能であれば、プラットフォームを問わず、リモートデスクトップ環境を構築できるようにする。
NVIDIAは、VGX GPUボードを採用する最初の製品として、Keplerアーキテクチャを採用したミドルレンジクラスのGPUを4基搭載し、各GPUに4Gバイトのメモリ(合計16Gバイト)を搭載したモデルを2012年の末に市場へ投入する意向を表明した。このボードに採用するGPUには、SMX構成を見直した192コアチップを採用することも明らかにしている。
一方、VGX GPU Hypervisorは、仮想マシン環境のハイパーバイザに組み込まれるソフトウェアレイヤーで、GPUの仮想化リソースへのアクセスを管理し、複数のユーザーがGPUにアクセスできるようにするものだ。また、このVGX GPUハイパーバイザーでは、VDIのグラフィックスアクセラレーションだけでなく、GPUを汎用コンピューティングに利用できるようにする。VGAクラウドプラットフォームでは、ユーザーのタイプに応じてGPUのリソースや機能を設定できるUSM(User Selectable Machines)をサポートすることで、GPUの性能を効率的に振り分けることができるようになり、エネルギー効率の高いクラウドサーバ環境が構築しやすくする。
ファン氏は、VGXクラウド・プラットフォームに対応した初の仮想化サーバ、および、リモートデスクトップクライアントとして、Citrixの「XenDesktop」と「HDX 3Dテクノロジ」がVDIのGPUアクセラレーションに対応することを発表した。Citrix 副社長のスミット・ダーワン氏は、iPadで仮想サーバ上のWindowsを立ち上げ、タブレットデバイスの仮想マシン環境においても1536コアを統合した未発表の「Quadro 5100」のフル性能を引き出すことができると、Autodesk Showcaseによるリアルタイムレンダリング処理を行いながら示した。
さらに、VGXクラウドプラットフォームのパフォーマンスデモでは、2012年8月に日本でも公開する映画「アヴェンジャーズ」や、米国で5月に封切られる「バトルシップ」の映像制作を担当したIndustrial Light & Magic(ILM) 特殊効果スーパーバイザーのグレイディ・コファ氏が登場して、VGXクラウドサーバにアクセスし、MacBook Proの仮想環境でもWindowsの3D制作ソフト「Maya」や映像合成ソフト「Nuke」を使った映像制作が行なえるようになると説明した。
なお、ファン氏は、VGXクラウドプラットフォームに対応した仮想化ソフトウェアとしては、Cirtix以外にもマイクロソフトやVMWareからも順次リリースされるほか、オープンソースの仮想化ソフトウェア「Xen」も対応予定であることも明らかにしている。
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