「KeplerがGPUの新しい時代を切り開く」──GTC 2012基調講演GPU Technology Conference 2012(4/4 ページ)

» 2012年05月17日 18時44分 公開
[本間文,ITmedia]
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その機能が明らかになった“Kepler II”

 GTC 2012で注目したいもう1つの話題は、Keplerアーキテクチャを採用したフラグシップGPU「GK110」の概要だ。ファン氏は、GK110が、28ナノメートルプロセスルールで71億トランジスタを集積し、384ビットメモリインタフェースを採用することを明らかにするとともに、このGPUを採用したGPUコンピューティング向け製品「Tesla K20」を2012年の末に市場へ投入する意向を示した。

 “Kepler II”という呼び名でも知られるGK110は、GPUコンピューティングのパフォーマンスを大幅に引き上げるべく、倍精度浮動小数点演算性能を高め、Fermiアーキテクチャを採用する「Tesla M2090」に比べて、最大3倍の演算性能を実現するとNVIDIAは主張している。

 また、このGK110では「Hyper-Q」「Dynamic Parallelism」という2つの機能を追加する。Hyper-Qは、CPUコアがGPUに対して最大32のMPI(Message Passing Interface)処理を同時実行できる機能だ。従来のFermi世代では、MPI処理は1つずつしか行なえなかったため、GPUリソースを有効に使えなかったばかりか、複数のMPI処理が生じた場合は、CPUがGPU側の処理を待つムダな時間が生じることもあった。しかし、GK110では、Hyper-QによってMPIタスクを並列に処理できるため、GPUをより効率的に利用できるばかりか、CPU待ち時間の削減にも役立つ。

 もう1つの強化ポイントとなるDynamic Parallelismは、CPUを介すことなくGPU内部で新しいスレッドを動的に生成する機能で、CPUとGPUのデータ転送に要するレイテンシを大幅に低減するとともに、CPUのリソースをより有効に活用できるようにする。

汎用コンピューティングで利用するGPUコアについても大きなアップデートがあった。ファン氏は、2012年の末にGPUコンピューティング向けの強化を図ったKeplerアーキテクチャのフラグシップコア「GK110」を採用した「Tesla K20」を市場に投入する計画を明らかにした。このコアは、71億トランジスタで2880コアを集積する巨大チップとなるが、GPUコンピューティングの処理効率やエネルギー効率を高める「Hyper-Q」「Dymanic Parallelism」という機能を追加する。なお、Tesla K20の投入に先立ち、GeForce GTX 690とハードウェア設計の一部を共有する「Tesla K10」の出荷開始もアナウンスした

CPUコアがGPUに対して最大32のMPI処理を同時実行できる「Hyper-Q」で、GPUの利用効率を高めるとともに、処理時間も短縮できる

CPUを介すことなくGPU内部で新しいスレッドを動的に生成できる「Dynamic Parallelism」を利用することで、より効率的なデータ解析ができる

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