“ちょこん”と乗るキュートなヘッドフォンアンプ、でもそのサウンドは本格派──オーディオテクニカ「AT-HA40USB」野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)

» 2012年08月09日 11時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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「スピーディ」なキャラクター、高級ヘッドフォンと組み合わせても音やせしない

 では視聴しよう。価格帯を考慮して過度な期待は慎みつつも、まずはライン出力から聞き始めてみた。

photophoto ライン出力は、Carot One「ERNESTOLO」(真空管アンプ)、ELAC「BS52.2」(ブックシェルフスピーカー)で視聴

 ほう。ほう。そんな配慮は必要としないくらい良質なサウンドだ。キャラクターをひとことで表すと「スピーディ」。キレがよく、メリハリがしっかりしているので、躍動感のある演奏が楽しめる。解像度は決して高くはないが、階調表現がていねいで、楽器の音色もグシャッと混じらずきちんと描き分けられているため、リアル感も高い。価格帯を考えると、驚くほどのサウンドクオリティといえる。

 一方、本機の本質であるヘッドフォン出力はどうだろう。これがさらによい。音色の傾向はほとんど変わらないが、低域の駆動力がしっかり確保されているためか高級志向のヘッドフォンと組み合わせても音やせしない。

 さすがにAKG「Q701」やSHURE「SRH1840」だと完ぺきとまではいかないのだが、同じくSHURE「SRH1440」に変えると、元気で勢いのある、それでいて細部までよく感じ取れるサウンドを楽しませてくれた。もしかすると偶然ベターマッチだったのかもしれないが、一般的なヘッドフォンを十分に鳴らし切る実力を持ち合わせていることは確認できた。

photophoto ヘッドフォン出力は、SHURE「SRH1840」(左)「SRH1440」、AKG「Q701」(右)で視聴

 軽量さや扱いやすさが最大の魅力となるAT-HA40USB。ただし、音質もかなりのもので、その点もしっかり評価したい。実売1万円台前半であることを考えると、今後はエントリークラスのベンチマークとなりうる存在かもしれない。要注目の製品だ。


音質評価 AT-HA40USB
解像度感      (粗い−○−−−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−○−−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−○−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−○−−質感重視)

試聴曲

  • Marcus Miller「Jean Pierre/FREE」
  • 小曽根真「ドゥムカ(あるべきもなく)/Road to Chopin」
  • 上原ひろみ「voice/voice」
  • 新居昭乃「きれいな感情/sora no uta」
  • santana「Whole Lotta Love/Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time」



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