第5回 ビジネスシーンに適する、“よく練られた”優秀仕様──改めて「R732/W3」のビジネス力を探るテツなアラフィフと「dynabook R732」 番外編(2/2 ページ)

» 2012年11月02日 10時30分 公開
[今藤弘一,ITmedia]
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業務マシンとSSDの親和性、ビジネスPCだからこそSSDを選択したい

photo 東芝ダイレクトモデルは、店頭モデルの128Gバイトより多い256GバイトSSDに強化できる

 モバイルPCを仕事で使う。筆者はまず「作業ファイル」をどうするかを考察する。Wordで作った文書、Excelで作成した見積り書、PowerPointで作ったプレゼンテーションデータなど、業務ではさまざまなファイルを扱い、作業する。また昨今は、エンターテインメント系利用でなくとも写真や映像といったファイルを資料として扱う機会も増えている。こうしたファイル類の扱いと基本アプリケーションは、PCを高速なSSD仕様にすることで劇的に利便性が高まる。

 dynabook R732は店頭モデルで128GバイトのSSDを標準で採用、さらに直販サイトのカスタマイズモデルはより大容量の256GバイトSSDを選択できる。この256Gバイトという容量、これまでのHDD仕様と比べるとやや少ないと思うかもしれない。容量単価の低い750Gバイト〜1TバイトのHDDのほうが業務で使うデータを気にせずすべてひとまとめにできるので、いろいろラク──わたしも当初はそう思っていた。

 しかしSSDは容量単価以外のすべての使い勝手でHDDに勝る。OS起動/アプリ起動はスパッと高速に、さらに(回転部品がなく、一般的な可搬動作により損傷する可能性が低いので)移動中や“すぐ出なければならない”時も気にせずバッグへ放り込めるといった機動性を含めて、やりたいときにぱっとやってぱっと終わる──そういうことをできるよう“変わる”のがSSDの大きな利点だ。


photo 手間をかけずにセキュリティ性を高められる機能の1つ「指紋認証センサー」を標準搭載する

 R732/W3TFはセキュリティ(TPM)チップと指紋認証センサーを標準搭載し、ストレージ内のデータを暗号化して安全に管理できる機能が備わる。こちら、ストレージ内のデータはそもそも暗号化して保存され、かつ暗号復元のための鍵データを本体内蔵のTPMチップに分離して保存するもの。万一の盗難・紛失時、仮にストレージを外され他のPCに接続してデータを盗もうとしても、復元鍵がないので内部のデータは参照できない、つまり物理的な漏えいは起こらない──仕組みとなっている。vProプラットフォームによる包括セキュリティ機能に追え、自身でもきちんと対策する、いわゆる二重ロックの役割となる。

 また、Windowsログオンはもちろん、BIOS起動の段階でもパスワード保護を行うことでよりセキュリティ性を高めるのもビジネスPCでは望まれる。この点、本機はBIOSロックの解除からHDD(ストレージ)ロック解除、Windowsログオンまで、1回の指紋センサーによる認証で済ませられるのも非常に便利だ。セキュリティをより高めつつ、利用者の負担を強いないよう工夫してあるわけだ。

セキュリティ性を高め、ストレージ容量の少なさを補う利用スタイルに変更

photo 業務環境に導入したバッファロー製NAS「LS-V2.0TL」。必要なときに取り出したいファイルを置く「Share」と、デジカメ画像など、頻繁に使うことはないがストックしておきたいファイルを入れておく「Backup」というように切り分けて使っている

 もちろんこれで完ぺきではない。ストレージの絶対容量が少ない、のではなく「万一時に備え、そもそも重要ファイルはむやみにPCに保存しない」と考え方を変えた。これを比較的低価格で実現する手段の1つとして、「NAS(ネットワークHDD)」を併用する運用方法を取り入れた。

 こちら、必要最低限のデータのみをPCに残し、残りはすべてオフィスのNASに格納。定期的にファイルをNASへ移動しつつ、NASに備わるWebアクセス機能を活用し、外出先で一時的に必要になったデータはインターネット経由で取り出すスタイルだ。こちら、Dropboxなどクラウドストレージサービスを利用する例と方法は一緒だが、ファイル総量が多いこと、そして万一時を考えてクラウドストレージ提供会社のサーバではなくオフィスの環境で管理することで、より柔軟に、かつ安心して活用できる手段として導入した。

 ちなみにWebアクセス機能とは、オフィスや自宅に設置したNASに外出先からアクセスし、ファイルをダウンロード、あるいは転送できる機能だ。外出先で使うにはモバイルインターネット環境が必要だが、R732/W3TFは無線LANや有線LANはもちろん、WiMAXもしっかり内蔵する。モバイルインターネット接続も標準サポート(WiMAXは3880円前後/月の月額定額プランのほか、使う日だけ600円/日で利用できる1日利用プランも用意する)するということで、外出先でもストレスなくファイルをやりとりすることができるはずだ。


photo Webアクセス機能を活用し、外出先からでもNAS内にファイルにアクセスできる

 いろいろなファイルを使って仕事をするといっても、1週間単位においては多くの人は10Gバイトくらいの容量があれば十分だと思う。要は現在進行中のタスクのみPCで作業できればよい。終えたタスクのファイルはバックアップも兼ねてNASへ定期的に移動する。絶対容量の少なさをまったく気にせず、より安全な運用ができるようになったと思う。

 最後に、なんと言ってもバッテリーの持ちがいい。標準バッテリーのカタログ値で約13時間動作(オプションの大容量バッテリー装着時は最大18時間)を実現するdynabook R732は、データ通信や各種アプリケーションを併用する実利用時であっても、1日の業務・活動時間まるごとバッテリー動作だけで乗り切ることさえ可能だ。この点は他のマシンでは意外と得られない安心感だ。




 このように、薄型+軽量+長時間動作+高速SSD+WiMAX+vPro+TPMチップ+指紋センサーといった特長により、インターネットが使えるなら、どの場所もオフィスと変わらない業務環境を構築できてしまう。そればかりか、業務効率も劇的に向上する。

 R732/W3TFの導入により、業務スタイルや業務推進における考え方が、“より高効率”になるようガラリと変わる。それが企業の貸与PCとして採用例が多いのもうなずける「ビジネス利用に適したPC」たるゆえんだろう。


東芝ダイレクト



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