探してみればやっぱり見つかる海賊版のWindows 8だが、いま中国でそれ以上に人気なのは「Windows XP」だ。北京にある地元のおじさんおばさんが集まる庶民向け市場の家電売場にも海賊版ソフトウェアショップが生き残っている。その店頭に並ぶのは、Windows XPと、Microsoft非公認で勝手に進化した「雨林木風Ghost xp 2013 5分間インストールエンタープライズエディッション」なるものだ。昆明にあった海賊版ショップでも、多数のバージョンに分かれているものの、Windows XPを最も多く扱っている。
PCパーツショップで自作PCに必要なパーツを一通り買えば、ショップが組んでくれる上にOSからビジネスソフトまで、こちらも一通り入れるのが中国の商習慣だ。さらに、メーカー製PCでも、DOS(Free DOS)やLinuxを導入した格安モデルを購入したら、ショップが“気を利かせて”Windowsに入れなおしてくれるのも、また中国の商習慣だ。微博で最近PCを購入したユーザーの報告をチェックすると、Windows 8やWindows 7より、依然としてWindows XP(ここでも「Ghost XP SP3電脳城完美セットアップエディッション2012」「深度技術Ghost XP SP3 快速セットアッププロフェッショナルエディッション2012年V11.0」などバージョンが確認しきれないほどある)をインストールする“気の利いた”ショップが多い。
これだけ海賊版のWindowsだが、ある調査報告によれば、確認した海賊版Windowsの94パーセントがInternet Explorerのホームページを変えており、18.7パーセントがホームページのURLを変更できず、さらに、56.1パーセントに悪意あるソフトウェアをインストールしていたという。かつて、中国最大手のWindows“作者”が逮捕されたというのに、依然として、Windows VistaやWindows 7、そして、Windows XPの進化は止まらない。ユーザー側にも海賊版のWindowsXPに対する需要が依然として強く残っている。そういう中国で、正規版Windows 8が“海賊版を踏み台にして”普及し始めているというのは、大変興味深い状況といえる。
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