内側の11.6型フルHD液晶ディスプレイはタッチパネルを搭載しておらず、思わず画面に触れたくなってしまうが、マルチタッチやペン入力には対応しない。
その代わり、タッチパネルなしの液晶ディスプレイでWindows 8の操作がしやすいよう、タッチパッドはWindows 8用のジェスチャーに対応している。右端の外から内に指をスワイプするとチャームバーの表示、左端の外から内に指をスワイプすると実行中アプリの切り替え、上端や下端の外から内に指をスワイプするとメニューバーの表示が可能だ。
広視野角なIPS方式の液晶パネルは外側画面と同じだが、こちらは光沢を抑えたノングレア仕上げだ。発色の鮮やかさやコントラストはグレア仕上げの外側画面が優勢だが、ノングレア仕上げの内側画面は外光や自分の姿がはっきり映り込むことがなく、デスクトップUIでの視認性をしっかり確保できる。
つまり、外側画面はタブレットモード+タッチ向けUIでマルチタッチとペン入力を使うこと、内側画面はノートパソコンモード+デスクトップUIでキーボードとタッチパッドを使うことに最適化した液晶ディスプレイの選択をしているのだ。欲をいえば、内側もタッチパネルを搭載してほしかったところだが、そうなるとこの薄さと軽さ、価格帯(実売予想価格13万9800円前後)をとても維持できなかっただろう。
ボディの左側面には、液晶ディスプレイを閉じた際にタブレットモードに切り替わらないようにする画面ロックスイッチも用意されている。通常のノートPCのように、液晶ディスプレイを閉じる動作でスリープに移行してすぐ持ち運びたい場合や、自分だけが見ている内側画面の情報を液晶ディスプレイの閉じる動作で外側画面に映し出したくない場合などに役立つ。
電源スイッチは右側面にあり、液晶ディスプレイを開いた状態で起動するとノートパソコンモードが、閉じた状態で起動するとタブレットモードが立ち上がる仕様だ。ただし、画面ロックスイッチをオンにしていると、液晶ディスプレイを閉じた状態でタブレットモードが起動せず、ASUSロゴが警告のために点滅する。

左側面のmini VGA出力端子に接続するD-Sub(アナログRGB)変換アダプタと、USBポートに接続する有線LAN(100BASE-TX)アダプタが付属する(写真=左)。付属のACアダプタはコンセントに直接差すタイプで、実測での突起物を除くサイズが60(幅)×60(奥行き)×28.5(高さ)ミリ、重量が約183グラムだった(写真=右)。ACアダプタはコンパクトでACプラグを折り畳めることから、持ち運びは楽だASUS TAICHIには前述した4つの表示方法を切り替える専用のキーとメニューも用意されている。キーボードのF12キーの右隣に青い画面のアイコンが付いた「TAICHIキー」があり、これを押すと内側画面に専用メニューの「TAICHI HOME」が表示される仕組みだ。
TAICHIキーを押すたびに、TAICHI HOME画面の右上にあるキーボードモード、タブレットモード、ミラーモード、デュアルスクリーンモードのメニューがアクティブになり、Enterキーを押せば、それぞれのモードに表示が切り替わる。
これにより、液晶ディスプレイを閉じることなくキーボードモードからタブレットモードへ移行することが可能だ。液晶ディスプレイを開いた状態でタブレットモードに移行すれば、スタンドを装着したタブレットのように、外側画面を立てた状態でマルチタッチ対応の全画面アプリを利用することもできる。

TAICHIキーを押すと起動する「TAICHI HOME」には、表示方法の切り替えや各種設定、チュートリアルなどのメニューが用意されている(写真=左)。TAICHIキーでタブレットモードに移行すれば、画面を立てたままタッチ操作が行える(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.