ミラーモードは内側と外側の2画面に同じ内容を表示する。名前の通り、デュアルディスプレイでミラー表示を行うモードだ。対面で同じデータを見ながらのプレゼンや商談、話し合いといった場面で威力を発揮する。ノートPCの天面だと思っていたところに画面が突然浮かび上がるのだから、初対面でのプレゼンではうまく画面に注意を引きつけることができるかもしれない。
デュアルスクリーンモードはさらに1歩進んだ2画面の活用法を提供する。これは2つの画面にそれぞれ別の画面を表示するモードだ。要は内側画面をメインディスプレイ、外側画面をセカンドディスプレイとして拡張デスクトップ表示を行うものだが、内側画面と外側画面に映っている内容を同時に見ることはできないため、通常のデュアルディスプレイのように1人のユーザーが表示領域を2画面に広げて作業効率を高めるといった使い方には対応しない。
こちらもミラーモードと同様、2人以上と対面で使うことを想定したモードだ。例えば、自分しか見えない内側画面にプレゼン資料や関係するデータを表示しながら、相手に見せる外側画面にはプレゼンのスライドだけを全画面表示するといった使い方ができる。ノートPCにプロジェクターをつないでのプレゼンと同じ2画面の使い方が1台のUltrabookで行えるというわけだ。ゲームの対戦プレイなどに使っても盛り上がるかもしれない。
さらにASUS TAICHIには「Screen Share」という独自ツールも用意されている。これを起動すると、内側画面に「ファイルをここにドロップ」と書かれたウィンドウが立ち上がり、ここに動画/静止画ファイルをドロップすることで、外側画面にドロップしたファイルの内容を全画面表示することが可能だ。この際、内側画面で起動しているScreen Shareにも同じ内容が表示される。対面している相手に写真や動画を選別して見せるのに便利だ。
以上、ASUS TAICHIの2画面を利用した4つの表示方法を一通り試してみた。個性的な2画面ボディからコンセプトモデルの意味合いが強い製品と思うかもしれないが、2枚のフルHD液晶ディスプレイを使いこなすための工夫がハードウェアとソフトウェアの両方で見られ、実用性をしっかりと考えて作り込んできた印象だ。
2画面を搭載することで本体が厚く重くなってしまうのではUltrabookとしての魅力も半減だが、厚さ17.4ミリ、重さ約1.25キロと、持ち運びやすいサイズに仕上がっているのは見逃せない(バッテリー駆動時間は公称値で約5.2時間と少々短めだが)。さらに、Core i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)や256GバイトSSDも搭載して13万9800円前後という実売価格も魅力的に映る。
PC USERでは引き続き、各種パフォーマンステストやバッテリー駆動時間テストの結果も含めたASUS TAICHIの詳細なレビューを後日掲載する予定だ。
・詳細レビューはこちら→11.6型フルHD液晶デュアルの衝撃:“2画面Ultrabook”はまるで未来のガジェット?――「TAICHI21」徹底検証
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