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銀行がUltrabookを“勧める”理由推奨するのはゲームだけじゃない

» 2012年12月11日 21時38分 公開
[長浜和也,ITmedia]

Intel ATとIntel IPTで進むUltrabookの企業導入

 インテルは、12月11日にUltrabookのビジネス導入例を紹介する説明会を行った。Ultrabookのビジネス利用でユーザーが得るメリットを訴求するとともに、実際に導入した企業の担当者が、Ultrabookを選んだ理由を紹介した。

 インテル グローバル・セールス&プラットフォーム・マーケティング事業本部 副本部長 兼 マーケティング統括部長の笠倉英知氏は、インテルがUltrabookの企業導入を進める最も重要な理由が「Ultrabookに導入した最新の技術が、働きかたの変革をサポートする」ことにあると述べる。

 Ultrabookは、開いたらすぐに使える応答性と省電力、長時間のバッテリー駆動によって、生産性と業務効率を向上するほか、常に持ち歩ける薄型軽量の本体は、オフィスワーカーの働きかたを変え、強力なセキュリティー機能によって業務で使うデータを外に持ち出すことを可能にした。さらに、コンバーチブルタイプやタッチパネルを導入した新しいUltrabookの登場は、柔軟な利用場面をユーザーに提供するというのが、インテルがUltrabookをビジネスで訴求する理由だ。

インテル グローバル・セールス&プラットフォーム・マーケティング事業本部 副本部長 兼 マーケティング統括部長の笠倉英知氏は(写真=左)、Ultrabookの企業導入が働きかたの変革をもたらすと述べる(写真=中央)。説明会では、Ultrabookを導入した企業の実例を紹介した(写真=右)

 インテル グローバル・セールス&プラットフォーム・マーケティング事業本部 セキュリティー & マネジャビリティー・テクノロジー担当の坂本尊志氏は、Ultabookの企業導入において重要な機能として、「インテル アイデンティティー・プロテクション・テクノロジー」(Intel IPT)と、「インテル アンチセフト・テクノロジー」(Intel AT)を取り上げた。プラットフォームに実装したエンジンを使ってワンタイムパスワードを発行するIntel IPTは、専用トークンを利用するワンタイムパスワードが持つ「トークンのコスト負担と紛失のリスク」を避けることができるほか、ソフトウェアによるワンタイムパスワードが持つ「データストレージのクローン作成による流出リスク」も回避できることを訴求するほか、Intel ATでは、事前に設定したポリシーに基づき、電源オフのPCでもリモートでログインできないようにし、BIOS変更させずHDDを交換しても起動させない強力なセキュリティ機能を紹介した。

インテル グローバル・セールス&プラットフォーム・マーケティング事業本部 セキュリティー & マネジャビリティー・テクノロジー担当の坂本尊志氏は(写真=左)、ビジネス導入における重要な機能としてIntel ATとIntel IPTを取り上げる(写真=中央)。Intel IPTは、Ultrabook内部で発行するワンタイムパスワードを利用することで、ハードウェアトークンのコスト増と盗難リスク、ソフトウェアトークンのクローン流出リスクを回避できる(写真=右)

「Ultabookといえば、どういうものかだいたい想像できる」

 続いて、坂本氏はUltrabookを導入した企業の実例を紹介した。キヤノンマーケティングジャパンでは、外勤する営業スタッフだけでなく、フリーアドレスの導入で固定した机がなくなった内勤スタッフも含めて、1万2000台のUltrabookを導入した。名古屋市高齢者医療サービス事業団では、月当たり2000人に上る利用者の体調データの収集と管理のために、聴診器や血圧計と一緒に持ち運べるほどに軽量で、かつ、大量の医療リポートを作成する作業効率を可能にする大画面とキーボードを有するUltrabookを採用している。日刊現代とサッカーダイジェストでは、取材したその場に持ち込めるぐらいに軽量で、撮影データを整理加工して入稿(日刊現代)、または、原稿を作成して入稿(サッカーダイジェスト)できる処理性能とバッテリー駆動時間を有するUltrabookを現場で利用している。

 常陽銀行 営業推進部 法人営業グループ 主任調査役の小林弘幸氏は、法人向けのインターネットバンキング「JWEBOFFICE」の推奨PCとして、マウスコンピューターのUltrabook「LB-L401B-JWEB」を採用した経緯を説明した。常陽銀行では、中小企業や個人事業主、農家などの顧客にインターネットバンキングの導入を勧めているが、Windows XP導入PCを使っている法人や、PCを業務でまったく利用していない法人がおり、そのような顧客にたいして、Intel IPTをサポートするUltrabookとして、LB-L401B-JWEBを推奨モデルに選んだという。

 オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC) 開発本部 ICTセンターの宮治朱美氏は、コンバーチブルタイプのUltrabook「Let'snote AX2」を導入した理由を紹介した。OBCは、ハードウェアキーボードを使った大量の業務データ入力から、タブレットデバイスによるデータ参照も想定した「奉行 i8」シリーズをリリースしているが、この幅広い利用場面を一台でデモできることからコンバーチブルタイプのUltrabookを選んだという。さらに、社内業務でも外出先における資料作成が従来使用していたPCより快適になっただけでなく、Let'snote AX2では、プレゼンテーションで必須となるプロジェクター対応のアナログRGBを搭載し、また、ほぼ一日の外出でも使い続けられるバッテリー駆動時間と、疲弊したバッテリーを交換ができるなど、業務利用に適した仕様も選択の理由として挙げている。

 説明会の最後で、インテルの坂本氏は「(ビジネスにおけるUltrabookの)使いかたはユーザーが考えてくれる。いい道具があれば、ユーザーが適材適所で使ってくれる」と、企業とユーザーがUltrabookの特性を生かして業務の効率を向上していることを訴求した上で、「情報機器の導入を提案するとき、“Ultrabook”というと、そのスペックや本体の姿を顧客がイメージしやすくなった」と、Ultrabookが広く企業にも認知されたと述べている。

常陽銀行 営業推進部 法人営業グループ 主任調査役の小林弘幸氏(写真=左)。オービックビジネスコンサルタント 開発本部 ICTセンターの宮治朱美氏(写真=中央)。日刊現代が撮影データ入稿用として導入したWAYZの「BAZA CLOUD」では、データ転送量に合わせてユーザーが送信するタイミングを設定し、「インテル スマート・コネクト・テクノロジー」でサポートするスリープ状態のデータ通信を利用することが可能だ(写真=右)

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