Euromoldでは、多数の3Dソフトも見ることができた。一口に3Dソフトと言ってもいろいろと種類がある。ほとんどの人が3Dソフトと聞いて思い浮かべるのは、画面上で3Dのモデルの作成ができる3D CAD(Computer Aided Design)だろう。
こうしたものの代表格として「CATIA」というソフトがあるが、こちらは筆のようなタッチで手描きした3Dのラフイメージから始まって、それを精密な3Dモデルに起こし、さらには部品など1個1個にバラして設計図にするなど、製造工程のかなり幅広い範囲で利用できる。
一方で「リバースエンジニアリング」も人気ソフトウェアのジャンルのようだ。これは3Dスキャナで取り込んだ3Dの形を解析するソフトで、例えば、3Dプリンタで印刷するとしたら、どの方向に印刷すればより構造がしっかりするか、といった分析や、ものを作る際に、どの部分は3Dプリンタのパーツで代用可能かを分析するためのものだ。自転車などをコンテナで運搬する際に、部品をどのように積み重ねれば、一番、容積が小さくなるかを分析する、といった計算ができるものまである。今後はこうした3Dソフトをうまく活用できるか否かで、企業には製造コストだけでなく、輸送コストなどにも大きな違いが出てくるかもしれない。
なお、ソフトではないが、今回のEuromoldでは、サービスビュローと呼ばれるサービスがたくさん発表されていたのも1つの傾向だった。これは3D CADなどで設計した3DデータをWebブラウザからアップロードすると、3Dプリンタで造形されたモデルが送られてくるというもの。3Dプリンタメーカーの3DSystems自身も「QuickParts」と呼ばれるサービスを始めていた。
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